縦の時空軸の奇跡(ツナside)


この世界に来て、最初は「何でこんな目に」って思ってた。沢山の人がいなくなってて、山本のお父さんや奴良の家族も殺されて…嫌で嫌で堪らなかった。

でも、今は少し違うんだ。

チョイスに敗けて、でも大空のアルコバレーノ・ユニが現れて、ユニを守りながら白蘭から逃げて来て…



「ツナ お前は白蘭を倒さなきゃなんねーんだ。ユニもお前達を平和な過去に帰すために、命を捧げるつもりなんだぞ。
アルコバレーノを復活させるためには大空のユニの力をもってしても簡単なことじゃねぇ。全身全霊をかけた"命の炎"を燃やす必要がある…それには肉体の消滅、すなわち死の危険を伴うはずだ…」




未来は痛くて怖いことがたくさんあるけど、
ここでのことは全部大事なオレの時間で…




「皆とここにいた時間はオレの時間で宝だ…
オレの炎は…お前が支配するこの時代だからこそ生まれた、皆の炎だ!
むやみに人を傷付けたために倒されることを…
後悔しろ!!」


目の前にいる白蘭は、とてつもなく強くて歯が立たなくて怖い。でも、倒さなくちゃいけないんだ。


「ハハハ!
でも結局僕と君の力の差は、君がさっき倒された時から何も変わってない!!」

"どうだろうな"

「「!!?」」


突如、指に嵌めていたボンゴレリングが光りだした。オレのだけじゃなくて、獄寺君や山本…守護者全員の指輪が光っている。しかも、各指輪が出す光からは初代ボンゴレの人達が映っている。
それは勿論、オレのリングも同様で…


"]世よ…お前の考えにオレも賛成だ。
オレの真の後継者に力を貸してやりたいが、生憎それはできない。その代わり…枷をはずしてやろう。"

「それは何の遊びだい? 綱吉くん。
それは誰なのかな?」

「あれは…ボンゴレファミリーの初代のボス、ボンゴレT世。あなたのマーレリングにも私のおしゃぶりにも起きない、ボンゴレリングの"縦の時空軸の奇跡"…」

"今のボンゴレリングは仮の姿だ。ボンゴレリングはある時より厳格な継承をするため2つに分割し、ボスと門外顧問の二人が保管することとなった。
だが、分割できる構造を保つため、同じトリニセッテのマーレリングやアルコバレーノのおしゃぶりに比べて炎の最高出力を抑える必要があった。
しかしもうその必要もない…"


そう説明しながら…初代のその人は、ボンゴレの紋章が入ったオレのグローブに手を添える。すると、共鳴するようにして、一際眩しい光を出し始めた。


"お前にならこのリングの本当の意味とオレの意思を分かってもらえそうだからな。"

「…これが…オリジナルのボンゴレリング!」

『ツナ! …と、えっ? 何あれ…
あ、なんか指輪の形が変わった。何で?』

「…何だこの結界みたいなの…」

「奴良…! 無事だったんだな…」

"…あの娘は…"


結界の外で、奴良と凍夜さんがやって来た。行くときは二人だけだったのに今では沢山の人が人を引き連れている。取り敢えず、こうやって今ここにいるということは、無事に柳田らを倒してきたということだろう。


"久しいな…初代夕闇の守護者、菜也"

『え…(初代…)?』

"お前の言う通り、ぬらりひょんに会えたよ"

『は…え…なに、何のこと!?』

「………」

"…]世、
マーレの小僧に一泡吹かせてこい。"


その言葉を最後に初代は姿を消した。
正直奴良への反応が気になるが…今は目の前にいる白蘭を倒すことが先決だろう。

ユニを白蘭の手から守るためにも…
オレは真の姿のボンゴレリングを指にして戦いを再開した。

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