▽ お便り16
【奴良家のお姉さんに質問です。周りがイケメンだらけのお姉さんですが、ぶっちゃけ異性的にときめいたりクラっとした人はいますか?奴良組の男性陣一同の前で答えてください(幹部や猩影くん、鯉伴さんなども含む)また指名された方はこの機会にドンと迫っちゃってください】
「…っていうお便りが来てるけど、どうなの姉ちゃん。」
「「「「「ごくり…」」」」」
『そりゃあ勿論、鴆の胸板ですな!会う度に顔がにやけるのをどれだけ努力して抑えこんでるか…』
「やったぜ…!ぶほぉーっ!!」
「鴆様が嬉し吐血をしたぞー!!」
「これじゃあお嬢を攻められねぇな!」
「談話室退場だー!!」
「…ええと、鴆くんが談話室退場したから、他にお願いします。ちなみにニヤニヤ抑えきれてないけどね、毎回。
…てゆうかまともなトキメキないの!?」
『…まとも?
…牛鬼の牛頭と馬頭を見る目がもはや父親のそれな時に萌えました!』
「……残念。牛鬼はもう幹部を引退したからここにいないんだよぉー!!ここにいる者の中から言ってよ!あと萌えじゃなくて真面目にお願いします」
『…真面目? リクオは私に何を求めてるの?』
「ボクじゃないけど…多分この質問のトキメキってのは恋愛的トキメキじゃないの?」
『恋愛的〜?』
「(駄目だこの人…)だから、ちょっと惚れそうになったとか。むしろ惚れた話とかないの?」
『……んん、トキメいたりクラっとくるのはしょっちゅうだけどねぇ。でも別に相手にそんな意図がないことを知ってるから、恋愛的なトキメキはないな。萌え的トキメキしかない。』
「本当に?本当にないの!?沢山の萌え的トキメキに紛れ込んでない!?」
「そうですぜっお嬢!!よく思い返してくだせぇ!!」
「きっとございます!!よーっく、記憶を辿ってください!!」
『…うーん……あ、強いて言うなら黒羽丸に捩目山でお姫様抱っこされた時?』
「!! えっ…オレですか…」
「(…お嬢に…迫る?)」
「(あの真面目な黒羽丸が…?)」
「「「「(そんなことできるのか!?)」」」」
『…あの時はありがとね!黒羽丸』
「い、いえっ…当然のことをしたまでです!!」
『…てゆうかさ…これ、相手に私への恋愛感情がないのに迫るって無理じゃない?』
「…何でも応えるのが談話室でしょ!姉ちゃん!というわけで黒羽丸も頑張って!!」
「ええっ!!??」
『いやいや、代わりと言っちゃあなんだが…
私が襲ってもいい?』
「!! はあっ!? 何言って…って目が本気で怖いんですけど!?」
「(お嬢が攻めだと!?)」
「(くそっ…何てオイシイ役なんだ黒羽丸!!)」
『ね…黒羽丸…2人っきりにな…りぃいいい!!?』
「うおっ!!?か、刀!?誰なん…だ……」
「…鯉菜、ここはあくまでリクエストに応える場だろう?お前が迫ってどうする…」
『と、父様…目が据わっててこわーい…』
「お前の気のせいじゃねぇか?
それと…鯉菜に迫る勇気がねぇ奴ァ今のうちに談話室から去りな。
残ったやつは…分かってんだろなぁ…?」
「み、見廻りに行くので失礼します!!」
「お、オレも親父と話があるので失礼しやす…」
「…オイラ腹減ったからきゅうり食べに行く」
「オレは…洗濯物を終わらせに行きます」
「……わしァ族の方に呼ばれてんで…」
「拙僧は……………しゃ、シャンプーを買いに。」
シーン…
『………誰もいなくなったけど?』
「…父さんと僕たちだけになっちゃったね。」
「何言ってんでぃ。まだオレとリクオが残ってんだろ?」
『…三代目、後は任せたよ』
「…うん、このバカ親父は任せて。」
ーーーーーーーーー
「黒羽丸…とんだ災難だったな…」
「え、えぇ…殺されるかと思いました…」
「いや、あの目は殺る気だったぜ…」
「「「「鯉伴様…大人気ない」」」」
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