この手に掴んだ幸せを(短編) | ナノ

▽ お便り9+

【珱姫さん、ぬらちゃんのどこがすきですか。かわいい息子と孫たちにも何か一言。おじいちゃんちょっとくらいならイチャコラしていいですよ。】

『リクオ。前回ね…私は大失態をおかしてしまったんだ。』

「? 珱姫が来た話のやつ?」

『そう!
お父さんへのコメントを聞くの忘れてた。』

「…しょうがないよ。父さんあの時いなかったから。」

『えっ、そうなの?』

「そうだよ? いつも通り、仕事をサボって怒られて逃走中だったんだよ」

『なはーんだ。なら私は悪くないね!
というわけで、今日もまた珱姫を呼び出して…お父さんと感動の再会を見守ろうかね!』

「そうだね!じゃあボクは父さん呼んでくるから、姉ちゃんは……何やってんの?」

『え?何って…ステッキ持って実験台探してんだけど?』

「え?それステッキなの?前回雑草だったじゃん。」

『雑草じゃない。ステッキだ。』

「…それは耳掻きじゃん。」

『耳掻きじゃない。ステッキだ。』

「意味わかんないよ!!もはやステッキって何!?ステッキの定義は!?」

『ステッキの定義?ハッハー、何を意味不明なことを言っているのかねリクオ氏。早くお父さんをお呼びなさい。

あ、破壊蛙だ。ちょっと来てー!!』

「破壊だ。」

『うんうん。破壊だね!可愛いね!!てことで、
ちちんぷいぷいー珱姫になーれー!!』

「………あらっ? 鯉菜…!?どうしてここに!?」

『また呼んじゃってごめんね!おばあちゃん』

「呼んじゃって…ってことは、前と同じで私は未来に来たのですか!?」

『そうだよ!前回1つミッションクリアするの忘れててねー』

「(ミッション?クリア?)」

『それで、今日再び呼ばせて頂きました!』

「姉ちゃん、呼んできたよー」

「おいおい、今日のゲストはオレ…か………
いいいいいいいい!!??? おふくろ!?」

「えっ…? あれ…アナタ………鯉伴…?
いやでも…鯉伴はまだ子供だし………」

『おばあちゃん、ここは未来だよ♪』

「!! じゃあ…本当に鯉伴なのっ…!?」

「おふくろ……何でここに…?」

『談話室のお力添えで…私が召喚致しました』

「…談話室ってのぁ何でもアリだな。」

「あぁ…鯉伴、大きくなったら…こんなにも立派になるのですねぇ…!」

「…あぁ。今ではもうすっかり、オレの息子の代になっちまったがなぁ。」

「そう…ふふっ、本当…大きくなったわねぇ。」

「そりゃあ…400年は過ぎてっからなぁ。」

「…月日はあっという間に過ぎるわね…。
鯉伴、あなたは今ちゃんと幸せ?」

「…あぁ。色々問題が起こったりするが、それでもオレは幸せだぜ?鯉菜やリクオ、若菜が居てくれるしな…。」

「そう…良かった! だったら私も安心だわ
…あっ!そういえば…私に何か用があって呼び出したのよね!?ごめんなさい長々と話しちゃって!!」

『いや、いいんです!そのまま話しちゃってください!!』

「ちょっ、良くないでしょ姉ちゃん!!何流されてんの!!
えっと…父さんに何か一言どうぞ!!」

「……えっ!?一言!?じゃあ…家族を大切にするのよ、鯉伴。」

「…おう、分かってらぁ!」

「おうおう、何じゃえらい盛り上がっと…
珱姫ぇぇえええええええ!!!」

ボフン!!

「…は」

「あ…」

『「………残念」』

煙を立てながら姿を現したのは…珱姫ではなく破壊蛙。

「破壊じゃ」

そう言い残してどこかへと去る破壊蛙に対して、おじいちゃんはポカーンとしている。

『破壊蛙だけに…空気を破壊していったね』

「上手くないからね、姉ちゃん。」

「と、取り敢えず…久しぶりにおふくろに会ったぜ。元気そうで何よりだな。」

『ねー。それにしても本当絶世の美女だな』

「…何で……何で早うわしを呼ばんかったんじゃお前らーーーーーーー!!!!!」

「げっ!親父が怒った!!」

「に、逃げよう!!」

『じゃっ、今度こそミッションクリアで!!
バイバイキーン☆』

「待ててめーらぁぁあぁぁあああ!!!」




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