この手に掴んだ幸せを(短編) | ナノ

▽ お便り8

【百鬼夜行に加えて頂けるとは、光悦至極に存じます
羽衣狐様に呼ばれれば、首無しがいなくても、参上いたします!】

『…っていう鬼百様からのお返事がポストに入っておりました』

「お姉様…!!見てくださいこのお返事!!
〈首無がいなくても〉ですって!!
余っ程お姉様のことが好きなんですよ!!」

「ふふ…そうか。
では…何かある時は鬼百殿を呼ばせてもらおうかのぅ。きっと楽しくなろうて。」

「えぇ♪ 絶対楽しくて盛り上がりますよ!!
私も鬼百様に会うのが楽しみですっ!!」

『良かったねぇ2人とも。
…あっ…首無だ。首無も良かったね!』

「へっ? 何がですか…ってお嬢!? 何でまた京妖怪が本家に…!?」

「ふん…鬼百殿に救われたな。首無。」

「…何のことだ。」

「鬼百様が、〈首無がいなくても参上いたします〉ってさ!!つまり、お姉様と私の方がアンタより魅力が上なのさっ!」

「…くっ…! (よく分からないけど、馬鹿にされてるのは分かる…悔しい!!)」

『まぁ…これで餌にされなくて済んだんじゃない?良かったじゃん。』

「……えぇ、それは助かりますけど…。」

「…さてと、それでは妾達は帰らせてもらうぞ。」

「お茶菓子、ご馳走様でしたぁー」

『いえいえー、また来てねー!』

「何だこの謎の敗北感は…。」




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