この手に掴んだ幸せを(短編) | ナノ

▽ お便り6

【羽衣狐様、狂骨(娘)が好きです
首無しもすきですが、それよりも羽衣狐様と狂骨が好きです
これからも頑張って下さい!
応援しています!】

「ほう。妾が好きとは…こやつ、見る目があるのぅ。愛くるしい奴じゃ。」

「お姉様の魅力をちゃんと分かるなんて…!」

「…しかも狂骨、お前のことも好きだと言うておるぞ?ちゃんとカッコして娘って書いてあることから…お前さんの親父殿には興味無いようだがな。」

「本当だ…っ!!私のことも好きって書いてある!!父の事はどうでもいいです!!
この方…お姉様と私の良さをよく熟知してますよ!!どうします!?お姉様…!!」

「そうじゃな…奴良組の隙を見て、妾たちの百鬼に混ぜるのも面白そうじゃのう…
名は書いておるか?」

「えーっと…送り主は『鬼百』様ですね!!
仲間にしましょう!!是非とも!!」

「クスッ…狂骨は可愛いなぁ。よかろう。
鬼百殿は…奴良組の首無のことも好きなようじゃな。では…そいつを餌にして、やってきたところを捕獲するとしようか。」

「完璧ですね!流石お姉様!!」

「…何だかこの部屋騒がしいな。誰かいるのか?」

「!! お姉様…!誰か来ましたよ!!」

「入るぞー……
なっ!? 羽衣狐!?それに…狂骨も!!
何でお前達が本家にいるんだ!!」

「ククッ…そう身構えるでない。妾はここに招待されたのであって、争いに来たわけではない。」

「招待…?」

『ちょっ、首無どいてくんない?お茶重いんだけど。』

「……鯉菜様ぁぁぁああ!!?」

『うわおっ!?』

「おっと…大丈夫か?鯉菜」

『あ、ありがとう…にしてもその尻尾いいね。おかげでお茶がこぼれなかったよ。
触ってもいい?』

「ならぬ。
いくら我が子同然のお前でも…尻尾を触るのは駄目じゃ。」

『そっかぁ…触ってもいい時は言ってね。全力で触らせて貰うから。』

「狡いわよ!!私だってまだお姉様の尻尾触ったことないのよ!?お姉様、私に先にいつか触らせてくださいね!!」

「………気が向いたらな。」

「…な、何だこのカオスな状態…」

『そうだ。最後に鬼百様が頑張って&応援コールしてるよ。』

「ふむ…ますます欲しくなるのぅ。
おい、そこの首。」

「首……。」

『プッ……首…』

「いつの日か、お主の首をもって鬼百殿を迎えに来るからな…。覚悟しておけ。」

「鬼百殿…?」

『奴良組ニヤニヤ一派の1人です。』

「何ですかそれ!?」

「じゃあお姉様、そろそろ帰ります?」

「そうじゃな。
鯉菜、お茶菓子…美味であったぞ。
また来る。」

『はいはーい、またお便り来たら連絡するねー』

「さらばじゃ。」

「お邪魔しました、ほら、がしゃ髑髏行くわよ!!」

「京まで頼むぞ、がしゃ髑髏。」

「はーーーーい、羽衣狐様ぁぁぁあ!」




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