この手に掴んだ幸せを(短編) | ナノ

▽ お便り4

【先生!奴良さんはどんな生徒ですか!談話室できたし、家庭訪問してきてください!】


「……ってわけで鯉菜、家庭訪問だ」

『…はっ?え、何これ…学園生活での私が暴露されるの?ちょっ、嫌なんですけど』

「姉ちゃん…仕方ないよ。
ここは皆の依頼に応える場所なんだよね?仕方ないよ…。」

『何その同情の眼差し!!なんか腹立つ!!』

「おい、鯉菜。あんま待たせるなよ。先生に失礼だろ?」

「鯉菜ー、早く来なさーい♪」

『…嘘ぉん。もしかして先生もう来てはるの?
………うわぁ…居った。普通に茶ぁ飲んで寛いどるやん。』

「おっ!奴良姉!!お邪魔してるぜ?今日はお前の学校生活について、三者…じゃないな、四者面談するぞ。」

『四者面談…私と先生とお母さんとお父さんか。お父さんがいるのが少し気に食わないが…まぁ仕方ない。』

「何でオレは駄目なんだよ」

『からかってきそうでウザイ。』

「ま、まぁまぁ…お二人とも…!そろそろ始めましょう!?」

「そうね!お母さん、鯉菜が学校でどんな風に過ごしてるのか知りたいわっ!
先生、鯉菜は真面目に授業受けてるの?」

「…あー…真面目っちゃあ真面目ですね。苦手科目は真面目に授業受けてますが、得意教科はサボってますね。」

「…それって真面目なのか?」

『凄く真面目じゃないか!これが分からんとは…けしからん!!』

「いや、どうだろう…真面目なやつは全部受けると思うが…まぁ別にいいけどよ。
ところで先生、コイツ…友達いるのかぃ?」

「あぁ、そりゃちゃんといますよ。でも何というか…一匹狼って感じがしますね。」

「「一匹狼??」」

『いや、もういいじゃん…』

「友達が幅広くいるけど、どのグループにも入ってないんですよね。…お前…大丈夫か?いじめられてないよな?」

『やられたらやり返すタイプなんで。いじめられませんよ。』

「そうか、それ聞いて先生は安心したぞ。」

「…先生、コイツ孤立してるんですか」

「…孤立…てわけではないですよ。クラスメートと仲良く話してる姿をよく見かけますし…(一人でいる姿もよく見かけるが…)」

「良かったぁ…」

「ったく、ヒヤヒヤさせんなよ鯉菜」

『私じゃなくて先生に言えよ。』

「ハハハ… でも結構人気ありますよ、娘さん。」

『えっ…そうなの?てか何の人気?』

「何のって言われても…上手く言えねぇが、
でも…そうですね。〈面倒見がいい〉〈頼りになる〉〈クール〉〈取捨選択がハッキリしてる〉とか…よく噂されてますね。」

『…最後の取捨選択ってそれ、褒めてんのか非難されてんのか怪しいな。』

「まぁ、要するに姐御肌ってこったろ。」

『姐御肌!?』

「どうしたの?鯉菜ちゃん」

『姐御肌とか…マジかよ。私はミステリー系で行く予定だったのに!』

「「キャラ作ってたのかよ!!」」

「でも姐御肌も謎に包まれてるから、結局は似たようなものじゃない?」

『…そう? ならいいや。』

「「アッサリし過ぎだろ…!!」」

『それよりもうそろそろ終わろうよ。』

「何でぃ。まだいいじゃねーか。それともアレか?知られちゃまずい事でもあんのか?誰かをパシッてるとか…」

「いや…娘さんはそんなパシるようなことしてませんから、安心してください。むしろ自ら娘さんにパシられに行く変態はいますけど。(番外編から)」

「…鯉菜に、パシられに行く、……変態!!?」

「え…ちょ、お父さん?どうしました?」

『お父さん、落ち着いて。大したことないから。ただの遊びだから。変態っつっても変態もどきに過ぎないから。』

「あらあら…また親馬鹿が始まっちゃったわね!」

「坂本先生…その変態どもは、どこの野郎で?」

『ちょいちょいちょいちょい!!なーに物騒なもん持ってんのぉ!?相変わらずスゲェ親馬鹿だなアンタ!!』

「ごめんなさいねー騒がしくて!」

「いえ…あっオレそろそろ用事があるので、失礼しますね」

「はーい!!また、遊びに来てくださいね♪」

『先生、さいならー!!』

「おーう、よく分かんねぇが…頑張れよ!奴良姉!!」

『…アンタが余計な事言ったからだけどねぇ!?』




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