この手に掴んだ幸せを(短編) | ナノ

▽ グダグダティータイム

鵺討伐およびリクオ快気祝いの宴が終わり、奴良組に平常通りの日々が戻ってきた頃…


『だいたいさ…おじいちゃんが一番女遊び激しいんだよ』

「そうよ! 鯉菜ちゃんの言う通りよ!」

「…確かに…初代や二代目に比べて…リクオ様はクールだって皆さん口を揃えて言いますもんね」

「仕方なかろう? ワシはイケ面でモテモテじゃったからなぁ…」

「オレぁ親父ほど女遊びしてねぇぞ? 惚れた女には一途だからな。」

「…じゃあ誰彼構わず色気を振り撒くのやめたら?」


上から順に…私、雪麗さん、氷麗、ぬら爺、お父さん、リクオ…この面子でただ今お茶会をやっています。
最初はぬら爺と雪麗さん、お父さんの3人で話していたようなのだが…お茶を入れに行った雪麗さんに氷麗が強制連行されてからの強制参加。次いで、暇過ぎて何故か黒ひげ危機一髪を無言でやる私とリクオがお父さんに誘われ…ノリノリ参加。
そしてお茶やお菓子を囲みながら談笑し、冒頭に戻るわけなのだがー


「でもリクオ様も泥酔なさった時は…か〜な〜り〜のっ、女誑しっぷりでしたよぉ〜」

「ちょっ…氷麗!? 寒いよ!!」

『アレは…酷かったなぁ…日頃の欲求不満が炸裂したかのように…』


そう、私達は今ぬらりひょんの血筋が何故こうも女誑しなのかと話しているところだ。


「でも…鯉菜ちゃんはどうなのよ? やっぱり男誑しなの?」

『まさか。お父さんとお母さんの娘ですから…外見ではモテるんですけどね。』

「お前さん…言葉遣いも性格も女らしくねぇからな」

「鯉菜は女というよりも漢じゃな」

『せめて男っていう漢字にしてくれるかな。
つぅか…私とリクオが性別交換したらちょうどいいと思うんだ。』

「ボクそんなに女らしくしてないよ!?」

「いや…でもリクオが女になったらかなり女性的になりそうだな。」

「…女子力高そうですね」

「鯉菜ちゃんは物凄く男らしくなりそうね」


生まれてくる性別間違えたわハッハッハーなんて皆で談笑していれば…


「いえいえ、鯉菜様は意外と女子力高いですよ?」

『け、毛倡妓…?』


洗濯物を持ち、毛倡妓がニコッと笑って言う。
…何だか物凄く嫌な予感。毛倡妓姐さん、あなた何を言うつもりなんですか…。


「すみません、ちょっと話し声が聴こえてしまったので〜」

「いや、全然構わねぇぜ…それより毛倡妓の言う女子力が高いっての…教えてくれねぇかい?」

『ねぇ、やめない?
私が女子力もう充分高いの知ってるでしょ。もうこれ以上知らなくていいって』

「そうもいかないわね…毛倡妓ちゃん、話してくれる?」


あぁ、なんてこと…
何かを暴露しそうな毛倡妓を止めようとするが、雪麗さんに氷で口を塞がれてしまった。
これじゃあ話すことができない…つーかその前に冷た過ぎて凍傷しそうです。


「はい!
お嬢はですね…受けの女子力が高いですよ」

「毛倡妓…あなた何でそんなこと知ってんのよ」

「それよりあなた達そんな関係だったの?」

「「「もっと詳しく」」」


毛倡妓の言葉に…氷麗と雪麗さんが目を半目にしてツッコむのに対して、ぬら三代はキランと目を光らせる。毛倡妓…やめて! 今度から朝はちゃんと直ぐに起きるから! 巨乳を羨ましがったりしないから!!


「お嬢がなかなか朝起きない時とか一緒にお風呂に入ってる時…時々攻めるんですが、その時のお嬢の受けの反応はレベル高いですよ〜」

「あぁ…毛倡妓ちゃんお得意の女攻めね」

「お母様もやられたのですか!?」

『ぷはっ!…凍るかと思ったわ…にしても雪麗さんも氷麗も攻められたんですね。』


雪麗さん曰く、毛倡妓は仲良くなった女性を攻めてからかうのが好きらしい…。しかも花魁だっただけあり、攻めるのが上手とのこと。
ーアレか…女の子同士でスカートめくりやら何やらするノリか。知らんけど。


「雪麗さんも氷麗も、攻められた時の照れた様子が可愛いんですけどねぇ…」

「ちょっ、毛倡妓! 何言って…!」

「そうよ! 私達のことはいいから、鯉菜ちゃんの話をしなさい!!」

『あれっ、私今雪麗さんに売られた?』


そこは私も一緒に守って欲しかったです…雪麗さん!!


「お嬢は本当に上手いですね。
なんと言いますか…恥ずかしくて困ったようなあの初々しさがエロいんです!!元花魁の私が言うんで間違いありません!!」

『いつか毛倡妓に本当に奪われそうでこわい』

「アレを男にしたら…皆狼になってしまいますよ」

『毛倡妓が狼にならないか心配』

「私はいつでも狼になれますよ♪」

『首無ぃぃぃぃぃぃヘーールプっ!!!』


クスッと妖艶に笑いかけてくる毛倡妓に、部屋を飛び出して首無に助けを求める。
しばらくは毛倡妓に要注意である…




(「毛倡妓、それ毎日やってんのか?」)
(「いえ、毎日はしませんよ〜! 慣れられたらつまらないので」)
(「…姉ちゃんにも勝てないものがあるんだね」)
(「それにしても奴良組の女は恐ろしいのう」)
(「…何で今私を見たのよ。凍らすわよ」)
(「鯉菜様も大変ですね…」)




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