この手に掴んだ幸せを(短編) | ナノ


▽ お便り118

【イタクに質問です!イタクってぶっちゃけ鯉菜さんのこと異性的に好きなんですか?またそうでなくても鯉菜さんのことどう思っていますか?】


「…っていう質問が届いてたぜ、イタク。」

「………リクオ、お前それをわざわざ届けるためだけに遠野に来たのか。」

「おぅ。本家に来て貰おうかと思ったが…姉貴がいたら話がグダグダになりそうだしな。イタクの本音も聞いてみてぇし。」

「ケホケホ…今回ばかりは逃げられそうにないね。」

「フフッ それで、どうなのイタク?
やっぱり鯉菜のこと好きなの?」

「くだら……」

「ちなみに、ちゃんと答えてくれないと凍らせてまた海に流すわよ♪」

「……くっ…!」←過去に経験あり。

「(悪ぃ…イタク…!)」←何となく罪悪感。

「(オレが鯉菜を…異性的に好き、だと?)
……それはねぇだろ…、何せアイツだぞ。女らしさ皆無で腹立たしいアイツだぞ…直ぐに図に乗るし、弱ぇくせに強がるし……ブツブツ……」

「「「………………」」」

「くだらねぇことで人によく頼るくせに、肝心な時には一人で直ぐに抱え込むし…! ブツブツ」

「「「……(こ、これは……)……」」」

「警戒心が高ぇのか低いのか…両極端にも程があるだろアイツ! そのくせ隙があり過ぎだ。他人には変に気を回して鋭いが、自分のこととなるとボーッとして危なっかしいし…!
……あぁ? 何ジロジロ見てんだてめーら。」

「い、いや、何でもねぇ……(おい、これって…)」

「ケホケホ、(…微妙だわ…)」

「ね、ねぇイタク! 鯉菜のこと好きかどうか今は置いといて…、あなた、彼女のことどう思ってるの? (もしかしてイタクって…)」

「あ?
…………1人で直ぐに抱え込もうとするバカ。」

「ケホッ…他には?」

「……リクオと比較して勝手に1人落ち込むバカ。」

「はぁ? 姉貴が何でオレと比べて落ち込むんだよ、そんなわけねーだろ…(何言ってんだイタクは。)」

「「(…そこに気づくイタクも珍しく凄いけど、気づかないリクオもリクオよね…)
他には?」」

「……気を遣って顔色窺う面倒くせぇ女。
……あとは……」

「いや、もういいわ。」

「うん、もう充分に分かったわ。ケホケホ」

「……?」←付いて来れてないリクオ

「は? 分かったって、何がだ。」

「何でもないわよ、ねー、紫♪」

「ねー! ケホケホ」

「……おいリクオ、結局何だってんだあいつら。」

「……オレが聞きてぇよ。」



***


(「イタクも人のこと言えないわよねぇ」)

(「ケホケホ…鯉菜に関しては敏感なのに、自分のことには超鈍感。」)

(「本当…ある意味似た者同士よねぇ、あの2人。」)




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