この手に掴んだ幸せを(短編) | ナノ


▽ お便り116

【鴆くんにお願いします!鯉菜ちゃんを攻めて攻めて攻めまくって下さい!軽いと鯉菜ちゃんが反撃しちゃうかもしれないので、鯉菜ちゃんが興奮するのを通り過ぎて恥ずかしくて照れてしまうまで!とことん!攻めて下さい!】

「だとよ…鴆。」

「リクオ…これが噂のオレの死亡フラグか?」

「あ? 何言って…」

「こんなの2代目にバレてオレが死ぬってぇオチだろ!」

「…いや、それはねぇから安心しろ。お便りの最後に【鴆くんは照れて吐血しないでね!鯉伴パパ、邪魔したら許しません!】って書いてあるからな。
親父には母さんとデートに行って貰ってるし、だからお前は安心して姉貴を襲え。」

「まてまてまて、あの鯉菜だぞ!? 襲われる前にオレが殺されるに決まってんだろ!!
あれか!? オレの命は談話室以下ってか!!」

「知るか。取りあえず、姉貴には何も知らせてねぇからな。知らせたらアイツ照れるどころかニヤニヤして終わるだろうし。」

「………おい、リクオ。オレ帰って………」

「じゃあ今から姉貴呼んでくるから、お前は覚悟決めとけよ。」

「リクオオオォォォォォ!!!!!!」



***********


「鴆、姉貴連れてきたぜ」

「!!(ビクッ)」

『なーにー話って。吐血が止まらないデスって相談? 大変ね〜。』

「違ぇよ!! 能天気でいいなぁテメェは!!」

「…後は任せたぜ、鴆。
あぁ、そうだ、1つお前に教えといてやる。姉貴の弱点は…首筋と鎖骨だ。じゃあな。」


パタン


「『…………………』」

『………え? 何で今アイツ弱点言ったの!?
こわっ、なんか嫌な予感がする!!』

「……(これどういう流れで攻めればいんだよ)」

『わ、私…
用事を思い出したので失礼しま〜す………』

「!! ま、待て…、うおうっ!!?」

『へ………えぅっ!?』


バッターン


『…痛たたたっ………って、…は?』

「痛ってぇ………鯉菜悪、い………」

『……あ、のぉ…ご無事で何よりですが、いい加減私の上から退いて下さいますぅ?』

「あ、あぁ! すぐに退……!!
(…ハッ、これは……チャンスじゃねぇか!?)」

『? 
ちょっと鴆ってば聞いて…、え?』

「(やるんだオレ…やればできる! オレァ吐血だって余裕でできるんだから、こんなこと余裕だ!!)
…フッ…上からお前を見下ろすのも、たまにはいい眺めだな。」

『鴆…?(何言ってんだこいつ…)』

「さっきリクオが言ってたなぁ? お前、首筋と鎖骨が弱いんだって?」

『!! は、離れ…………んっ!』

「逃げんな」

『鴆っ! ま、待って、落ち着いて!!』

「悪ぃな鯉菜。これでもオレぁ冷静だよ。」

『何処がよ!? (やばいやばいやばい、鴆がいつになくSっ気を発揮してる!!)』

「…あぁ、そうか。そういやぁお前いつもオレの胸板がどうのこうの言ってたよな。…脱ぐか。」


バサッ


『ぬぬ脱がなくてよよよよろしいっ!!!(チラッ…』

「………。」

『はは早く! 上着て……』

「とか言いつつ、本当は見てぇんだろ?」

『うっ…(図星)』

「…触りてぇんだろ?」

『…くっ…!(ド図星)』

「だったら見て触れよ。
今までどうせチラ見しかしてねぇんだろ? それなら良い機会じゃねーか。好きなだけ見ろ、触れ。」

『〜〜〜〜ッ(発言までエロいです鴆様!!)』

「ほら…」

『…じゃ、じゃあ…せめて、目閉じてて…?』

「…は? 目??」

『み、見られてたら恥ずかしいのっ!!ほら閉じて!!』

「………ん。(そんなもんか?)」

『(ホッ…にしても、遂に鴆の胸板を触れる日が!)』

「(ジーッ…)」←薄目で何気に見てる人

『…っ(あぁ〜緊張する〜っ!!)』


………ピトッ


『……あったかい…(ももも萌え〜っ!!)』

「………」


グイッ


『きゃあっ!? ……な、ぜ、鴆!? 何やって…』

「何って…お前がオレを押し倒してきたんだろ?」

『やっ…首元で、話さない…で…っ
それに! そっちが私を…引っ張、た…でしょ!?』

「…お前、本当にここダメなんだな。顔真っ赤だぞ、体も熱くなってらぁ…」

『ン…! …そんなの、自分の身体だ…し……私が1番分かってるわよ…っ』

「へぇ…。じゃあ、お前が今エロい顔してるってのも…分かってやってんだよなぁ? 鯉菜」

『…鴆っ……、恥ずかし……から…意地悪…言わな……


…あ、逃げた方がいいかも、鴆。』

「あん? 何言っ………」

『………明鏡止水・桜!!』

「うおおおおおおおいっっ!!?
ちょ、おまっ、オレを殺す気かぁーっ!??」

『……殺しても構わないと思ってるわよ?
<昼>のアタシをいじめるやつはね……』

「(ゾクッ)…お前…夜の………!!
ご、誤解だ! これは談話室のために…!!」

『問答無用っ!!
くらえっ! 明鏡止水・桜火龍!!!』

「なっ…ど、
ド畜生おおおぉぉぉぉぉぉぅぅっ!!!!」

『待て! このアタシから逃げられると思ってんじゃないでしょーね! 焼き鳥にしてやるわ!!』



バタバタバタ………



「…鴆にしては攻めてたんじゃねーか? 毛倡妓」

「ですねっ! このシーンもしっかりとビデオにおさめましたし…どーです? 2代目にこのビデオをプレゼントしてみますか、リクオ様。」

「………やめとく。見守ってたオレにまで飛び火が来るかもしれねぇし。それにしても、相変わらず夜の姉貴は昼に対して過保護だな。」

「あともう少し夜のお嬢が出ずにいてくれたら…ムフフな展開になってたかもしれませんのに、ねぇ?♪」




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