この手に掴んだ幸せを(短編) | ナノ

▽ お便り84

【リクオ君と鯉菜さんは、将来、高校・大学に入りたいと思いますか?】

「大学…までは分かんないけど、高校は行くよ!」

『同じく。高校は行く…大学は分からん』

「受験ってお金かかるんだよね…」

『メッチャかかるよ…受験勉強もつらいし』

「姉ちゃんは基本勉強が嫌いだもんね」

『大嫌い。学ぶのは好きなんだけど…それを覚えて問題を解いて〜ってやるのが大嫌い。』

「じゃあ大学行かなくてもいいんじゃないの?」

『大学は高校の時みたいに覚えなくてもいいもん。ただ学ぶだけだから楽しい…
まっ、覚えなくちゃ駄目な講義とかもあるけどね。でも大したことないし…』

「…ふーん? 大学生って何するのか…イマイチよく分かんないなぁ…」

『まぁ仕方ないよ。大学生なったことないならそれが当たり前。
簡単に言えば…真面目なやつは真面目に勉強するし、不真面目なやつは勉強せずに最悪留年とかする。』

「……姉ちゃんは後者?」

『なんでやねん、前者に決まっとるやんか。
ただ、大学に入ったとして…大学卒業後は本当分からないなぁ…。』

「…普通は就職するんだよね」

『うん、普通はね。
うちは妖怪任侠だしねぇ? 会社に入って…大丈夫なのかしら…』

「…バレなきゃいんじゃない?」

『いやいやいや、見た目的に歳取らないとおかしいからね? 終身雇用だからね?
「あれっ、お前…60歳だけど全然20歳の時と変わんねぇじゃん!! まだ働いてね!!」
ってな感じで簡単に済めばまだいいけど、
「おい…お前、40歳なのに20歳の頃から全くと言って姿がかわってねぇぞ!? なんだお前!!」
ってなったら…』

「……………」

『……………』

「………ば、バレた時は…それでいいんじゃない?」

『………そうね。一応1度はバレてるしね…』

「妖怪の血が混ざってるから…なかなか年を取らないんだって、きっと分かってくれるよ…」

『…だよね…うん、………まぁ流れに任せるか』

「そうしよう」




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