この手に掴んだ幸せを(短編) | ナノ

▽ お便り69

【本当に思ったことなんですが、夜の鯉菜さんはどこでやる気を出しますか?というかやる気出せますか?】

「…アタシ…そんなにやる気ないようにみえる?」

『見える』

「…じゃあ、これってやる気がなさ過ぎるからこそ着た質問?」

『……もしくは、やる気が常にあるようにこの方には見えたのかもしれない…よ?』

「…………どこからそのやる気出てますかっていう質問かもしれないってこと?」

『うん。(多分前者だろうけど)』

「…前者じゃないかな。アタシ、やる気ないし。」

『あ、だよね、うん。これで後者だって言われたら反応に困ってた所だよ…良かった。
で? どうなの?』

「…怒り。」

『………………コメントしづらいわ!!!!』

「…アンタを悲しめたり苦しめたりする人に怒る。殺る気が出る。」

『…やる気と殺る気の違い分かる?』

「一緒。」

『一緒じゃない。』

「一緒。」

『一緒じゃない。』

「どこが違う。」

『一緒じゃ…え? どこが…って…………
やる気は意欲だよ!!掃除しようとか宿題するぞっていう意欲!! 一方で殺る気は文字通りの意味でしょう。』

「………分かった。
アタシは殺る気があってもやる気はない。」

『そうだね。つうか冒頭を見る限り…普通に殺る気とやる気の違い分かってたよね!
…それで? やる気スイッチはどこにあるの?』

「ない。」

『……本当に? 掃除とか宿題とか…』

「しない。アンタがして。」

『…仮に掃除とか宿題するとしたら、どんな時?』

「………〈昼〉が…具合悪くてそれをできない時。仕方ないから代わりにやる…かも。」

『かも…は要らないけどね。
…てことはさ、〈夜〉のやる気スイッチって私じゃない? 私の具合の悪さ』

「…じゃあ、アタシのやる気スイッチが入らないことを期待する。」

『うんうん、そうだ…ね?
あれ? 何かおかしくね?私が元気ある限りアンタはやる気でないって…………
なんじゃそりゃァァ!!!!』

「…今日も元気ね。」

『やかましいわ!!』




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