この手に掴んだ幸せを(短編) | ナノ

▽ お便り60

【鯉菜さんの理想の夫像を教えてください。もしかして鯉伴さんですか?】

『…そうねぇ…
暴力を振るようなやつはまず却下でしょ』

「ちなみに旦那が暴力振るような奴ならどうする?」

『4分の3殺しにして二度と逆らえないように恐怖を植え付ける』

「それ姉ちゃんの方がDV!!」

『娘や息子が私に何か酷いことを言った時、私を庇うようにして子供を怒る旦那がいいな…
「お前の母親である前に、コイツはオレの女なんだ。」なんて言っちゃってくれたら嬉し泣きするわ〜』

「確かに…それいいね」

『まぁ…これは息子限定になるでしょうね。娘が母親に酷い事言って怒る父親はそういないでしょうな…父親なんて娘に弱いだろうし』

「…オレは怒るぞ鯉菜」

『!!』

「あ、お父さん…。…怒れるの?」

「当たり前だろ? 鯉菜は大事な娘だが…若菜はオレの女なんだから。仮にお前は…自分の女が他の奴に泣かされたら怒らねぇのかい?」

「いや、そりゃ…怒るだろうけど…」

「なっ?それと一緒だ」

『…かっこいい…』

「「ん?」」

『かっこいいよお父さん!!滅茶苦茶かっこいいよ!!初めてこんなにお父さんがカッコ良く見えた!!』

「(初めて…)」←クリティカルヒット

「ね、姉ちゃん…?」

『結婚したら愛が覚める夫婦がほとんどなんだろうけど…私ずっと愛し合える夫婦になれるような旦那が欲しいわ!!』

「…お前の理想って…」

「…かなりシビアな条件が前提としてついてるよね…」

「普通女の子って結婚に憧れてるもんじゃねーのか?」

「…離婚とか愛が覚めることを見越して考えてるよ、姉ちゃん…どんだけ現実主義なんだ。」

「…幸せな現実主義じゃなくて辛い現実主義かよ」

「「何故こうなった…」」

『?』




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