この手に掴んだ幸せを(ぬら孫) | ナノ


▽ お風呂

「相手の認識をずらす…それがぬらりひょんの畏を断ち切る力…」


はい、どーもどーも。皆さんこんにちはー。今何してるかって? 冷麗と修行なぅ!


『あ、くれぐれも知らないフリしてね。リクオには自分で思い出して欲しいから。』


本当に私が畏を使いこなしているのか確認するために冷麗とバトったんですが…冷麗怖かった!! 容赦なく凍らしてくるんですもの!! しかも黒い笑みを浮かべながら!! 流石イジメっ子…。


「……お前の攻撃は単純で読みやすい。」


そう口出してきたのはイタク。リクオは今淡島や雨造を相手して忙しいため、合間を縫ってコッチに来たようだ。


「反射神経が良いし動きも速いが、力がねぇ。そのうえ、攻撃は単純で読みやすいから簡単に避けられる。」


……凄いな。ちょっと見ただけで私の欠点を見つけたよ。


『…攻撃が単純て言われてもねぇ。よく分かんない』

「鬼發も鬼憑もお前は使いこなせる。だがそれを利用した攻撃がねぇってことだ。」

『え、鬼發とか鬼憑しながら私戦ってたけど。』

「ふふ、まぁ…色んな人と戦っていけばそのうち分かるんじゃない? 実戦あるのみよ!!」


ほら、お風呂入りに行きましょ!と私の背中を押す冷麗と紫に従い、風呂場に向かう。


『ねぇ、イタク…ってあれ? もういない。』


私とも戦って欲しいと思ったんだけど…明日頼もうかな。そんなこんなで、家族や奴良組のことを話しながらお風呂に向かっていれば、


「な、淡島ーー!?」

「雨造、お前見過ぎだろ!!」


男湯の方が何やら騒がしい。


「……淡島ったら、また男湯に入って!」


若干頬を赤らめて怒る冷麗も可愛い。
じゃなくて、


『淡島って男でしょ? 別にいいじゃん。』


知ってるけど知らないフリ。


「淡島は昼は男、夜は女になる妖怪なのよ」

『ふーん、何か大変そう。……ん?』


待てよ。
確か今…リクオもお風呂入ってるんじゃ!?


『…………淡島…死刑(ボソ)』

「……え? 鯉菜!?」


冷麗や紫の言葉を無視して、スタスタと男湯に向かう。


『淡島ぁぁぁ!!
お前はなに人の弟に穢れたもん見せとるんじゃボケー!!』

「グフぉっ!?」

「姉貴!?」


全裸で男湯に佇む淡島に飛び蹴りする。
許しませんよ、リクオ。お姉ちゃんは許しません。彼女でもなんでもない奴との裸の付き合いなぞ許しませんから。君の嫁候補(氷麗とカナ)に悪いから、許しません。


「だ、誰だァ!? って鯉菜か、お前何してんだ。
ここ男湯だぞ?」

『そうだね、男湯だね。
じゃあ君もここにいるのはおかしいだろう?』

「オレは夜になると女になるが、中身は男に変わりねぇ!!」

『でも身体は女なんだから女湯に入れ!! もしくはリクオがいない時に男湯に入れ!!』

「どんだけブラコンなんだよオメーは!!」


ギャーギャー言い合いをしながら、持ってきたバスタオルで淡島の体を巻き巻きする。


「裸の付き合いなんだからタオルなんかいいだろ!?」

『裸の付き合いをしたいなら女湯に行って私としようではないか!!』

「ま、待て!!」


今まで黙ってたリクオがここで初めて口を開く。


「身体は女でも、中身は男なんだろ?
じゃあ姉貴と一緒に風呂入るな、淡島。」

『大丈夫よリクオ。自分のこのナイスバディに見慣れてるから、淡島だって他の女の体を今更見ても興奮しないでしょ。…立つもんもないし(ボソ)』

「立つもんは無くても、心の中で立つぞ?」

「『…………。』」


こいつ……どうしたらいいんだ?


「つーかここは裸の付き合いする所だぜぇ?
何でお前は服着てんだよ」

『はぁ? 今からお風呂入るっつの』


淡島の言葉に、何も考えずにそう答えた私を殴りたい。


「んじゃあ、お前もここで一緒に入ろーぜ!!
女のオレもいるから平気だろ?」


そう言って私の服を脱がしにかかる淡島。ナニコレ怖い。いつからココはGLになったの。


『きゃっ…ちょ、やめろ馬鹿野郎!
つぅか無駄に力強ぇのな!?』


必死に脱ぐまいと服を抑える私に負けじと脱がそうとしてくる。冷麗ー!!たっけてー!!って、誰だ今「脱がせー!」とか言った奴!! お前明日血祭りの刑にしてやっからな。


「うおっ!?」

『ぶわっ!』


くだらないやり取りをしていれば、淡島と私の足が絡んで一緒に湯の中にダイブ!!


『……ぷはっ! アッツゥゥウ!!!』

「…ぶはっ! ほォらみろ! 服脱がないからそうな……る…」


徐々に語尾が小さくなる淡島。一方、さっきまで賑やかだった周りも静まり返っている。


『湯の温度高すぎだろ!
…イタクはのぼせてんじゃないの? 顔赤いよ。』


そう言えば「ば、馬鹿野郎!」と言いながら顔を背ける。何だよ人が心配してやってんのに! マイナス100ポイント!!


「さ、さっさと服着ろっ!!」


……おっふ、嫌な予感がする。ギギギと顔を下に向ければ、着崩れて超セクシーな感じになっていた。


『……ぁあ!? 何ホントに脱がしてんのよ!!』


良かった、ブラは外れてなくて。


「わ、わりぃ…本当に脱げるとは思わなかった」

「姉貴、普通女はもっと慌てると思うんだが。」

『リクオ、今更私に普通を求めるのはやめなさい?』

「自分で言うな。そして早くこっから出ろ。」

『はーい、お邪魔しやしたー。』


お湯を吸って重くなった着物を着直して男湯を出る。ちなみに淡島を連れていくのは忘れていない。



(『・・・イタクも良いけど、リクオも案外良かったな』)
(「? 何がだ?」)
(『胸板の話。』)
(「オレも胸筋なら負けねえぞ!?」)
(『わー本当だねー大きい胸つけちゃって昼の私への嫌がらせですかー?(棒)』)
(「っにぎゃあ!!な、なに人の胸を鷲掴みしてんだよ!!」)




prev / next

[ back to top ]


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -