クラスメイトのドヤ顔に腹が立った15の秋 | ナノ

クラスメイトのドヤ顔に腹が立った15の秋

05.指揮者担当桂委員長

6/12






今日は待ちに待った(というほどではないが)音楽コンクール。銀魂高校付属中学生が市の会館に集まっている。


もうすぐ私たちの出番なのに緊張感がないのは毎度のことで、他クラスも十分承知。
3Zがどんなに煩くても誰も文句は言わない。とりあえずごめんなさい。

とにかく、私の問題は隣に座る長髪。




『ヅラ』

「ヅラじゃない桂だ」

『ヅラはヅラ。指揮の最中で泣かないでよね』

「そんな恥ずかしい真似はせん」

『どうだか』




毎年ヅラが指揮だったけどそれは悲惨なものだった。

歌詞に感動して泣くわそれでテンポぐだぐだになるわ…。
テンポって口動かして伝えるといきなり指揮ストップして「貴様はこの歌詞の良さがわからんのか!?」って…。判りたくない。

ヅラが恥かこうとどうでもいいけど迷惑な行動だけはやめてほしい。




『……テンポぐだぐだになったら置いてくから。指揮止めてくれてもいい』

「覚えておく」




なんやかんやでいつの間にか3Zの番。クラス的にそうだけどもちろんラスト。

沖田とか土方を見て喚く女子にとっては素晴らしいラストなんだろうけど他は見る気もないんだろうな。
3Zの演奏なんか。




『それじゃヅラ、宜しく』



それだけ言ってピアノへと向かった。

会館のピアノはスタ○ウェイってやつで、1000万級。
全力で弾かなきゃ損。これがラストなんだから…損はしたくない。




 * * *




「終わったな」

『うん…ヅラ泣かなかったじゃん』

「お前が伴奏するのもこれが最後。泣けるわけがない」

『ふーん……』




今更になって、ヅラはいいやつなんだなって思った。

銀時も言ってたけどこいつら芯はしっかりしてんだよね。びっくりするほど。
だから、学校休もうとはしなかった。
連中は真剣なのにそれをウザがるのは人として腐ってる。そう思って。

まぁA組だったら良かったなんて何度思ったか数えきれないけど。


生憎の雨だったから会議室で昼食だけど、これで良かった。
此処でも連中は素だ。びっくりするくらい。




『良かったよ、ヅラが委員長で。ヅラが指揮で』

「ふ…まぁな(ドヤ)」

『…前言撤回』

「えっ…………」






指揮者担当桂委員長

( そういえば貴様有志に… )
( ………忘れてたかった )




◎ドヤって入れたかったw
20111108


 
BKM
  back
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -