クラスメイトのドヤ顔に腹が立った15の秋 | ナノ

クラスメイトのドヤ顔に腹が立った15の秋

04.料理の天災妙ちゃん

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昼休み。いつもと変わらず売店に行く。
弁当作るの面倒だし親も忙しいし。




「世名ちゃんまた売店?」

『………妙。ごめん、ぼーっとしてた』

「いいのよ、受験するんだし忙しいんでしょ?それより」




ぐっと手を引っ張られた。


神楽と喧嘩コンビ組んでるだけのことはある。
力強いよ妙も。

急だったから少しバランス崩した。




「一緒に食べない?今日たくさんお弁当作ってきたのよ」

『え、くれるの?』

「えぇ!!みんな、私の料理は勿体ないって食べてくれないのよ」

『へぇ…じゃああたし貰おうかな』




あの食い意地の強い3Zが食べないというのは腑に落ちない。

でもタダで食べさせてくれるなら拒否する理由はない。
と、言うわけで、教室に戻ろうか。売店行く意味ないし。


妙とどうでもいい話をしながら教室に向かった。
よく喋る方ではないけど(そもそも3Zの連中と喋んない)、意外と盛り上がった。




「姐御!!それと…世名?」

『どうも、神楽』




神楽とメガネと風紀委員。
お馴染み、といった感じのメンバーがいた。


どうせ風紀はゴリラの所為で此処にいるんだろうけど。




「お前この前総悟を負かしたんだってな」

『まーね。鬼の副部長からしたら気に入らない話?』

「違うぞ相川さん。トシは総悟とよく打ち合ってるが五分五分といった感じで…。総悟が負けたんなら自分も負けるってことになるだろ?
女の子に負けるなんざ男としてのプライ「語りすぎじゃボケー!!」お妙さっ危なっ…!」




この後妙に殺されかけるであろうゴリラは無視。
きっと彼…いや、あれは本物のゴリラなんだ。こんなとこにいるなんて殺されても自業自得。

…こうやって自分を騙さないと過ごせないクラスってやっぱり可笑しい。
みんなが嫌いではないけど馬鹿馬鹿しすぎてついていけない。


と、ゴリラを野生に返してあげた優しい妙が戻ってきた。
……あたしらの部長ゴリラだったから強かったのか。




「待たせちゃったわね、世名ちゃん。はい、これ」

『ありがと』




妙から受け取った弁当は丁寧に風呂敷に包まれている。
渡す様子だって、何も知らない人が見たら惚れるんだろうなとか思う。この時点であたしは一般人じゃないってことになるのだけど。




『(あれ…)』




妙が満面の笑みであたしを見ている。
これはきっと、食べた感想聞きたいんだろうなって。それ以外の理由は見当たらないし。
それは置いといて……。


なんで他のメンバーもあたしを見てる?しかも血相抱えて。
………え?




「…世名……私たちには姐御の弁当は勿体な過ぎるヨ」

『なにが?』

「そ…そうだぜ世名。俺のマヨネーズやるからそれはやめとけ、勿体ない」

『いやいらないし。てゆうかそうだぜの意味が判らない』

「とにかく俺の弁当やるからやめとけィ。庶民が食うようなモンじゃないんでさァ」

『へぇ…どんだけ豪華なんだろ』

「僕が責任もって食べるんで世名さんはやめてください!!」

『責任ってなんの?』

「「「あ」」」

「ねぇ新ちゃん…なんの責任?」

「姉上…それは……」




妙が再び切れるしゴリラが復活するしなにこれどうしたらいいの。あたしもう知らない。


あ、そういえばどんな弁当なんだろ。




『(……うそ?)』

「あら、世名ちゃんどう?」

『………あたしには無理です姐御』






料理の天災妙ちゃん

( …売店まだ残ってるかな )
( 遠慮しなくてもいいのよ世名ちゃん )
( 遠慮じゃなくて拒否 )
( え? )
( ……………あ )




◎姐御といったらダークマターでドヤ顔でしょう!
20111105


 
BKM
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