クラスメイトのドヤ顔に腹が立った15の秋 | ナノ

クラスメイトのドヤ顔に腹が立った15の秋

03.剣道強い沖田君

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「世名先輩!」

「嘘!?」

「わ、お久しぶりです!」




引退してもやっぱり部活って気になる。
慕ってくれてる後輩もいるし、会いたいなぁとかまた剣道したいなぁとか思うのは別におかしくないし、そういう連中私以外にもいるはず。


具体的にあのドSとか。




「世名じゃないですかィ」

『ごめん、下の名前で呼ばないでくんない?』

「…わかりやした」




こいつがドSだからか知らないけど、下の名前で呼ばれると寒気がする。
何度も呼ぶなって言ってんのに呼ぶのはコイツがただのサディストだから。
サディスティック星の王子なんて大層な奴じゃないからよく覚えといて。


にしても…なんで沖田?
剣道部って土方とか近藤とか妙とか神楽とか…地味2人(メガネと…誰だっけ)だっているのに。
私がただ運悪いだけ?これ。

せっかく後輩に会いに来たのにイライラ止まんないんですけど。




「ちょいと相川さん」

『…なに?』

「一発交えませんかィ?」




竹刀を持ってニヤリと笑う沖田。


素直になります。かなりやりたい。
国立高校行きたいから引退してから必死に勉強してきた。だから大好きな剣道だってしばらくしてない。

しかも…相手は剣道部男子で一番の実力を謳われた沖田総悟。
やらないでどうする?




『受けて立つ』

「まぁ精々楽しみましょーや」

『(精々楽しむ…ね)じゃあ手加減する』

「相変わらずですねィ。大会以外で本気出さないのは」

『無駄な体力使いたくないだけ』




私達の会話を聞いてた後輩たちが集まってきた。
特に女子は興味津々なんだろうな。相手沖田だし。

負けてもいいけど…沖田だよ?男子一番に勝ったら最高に気分いいんだろうな。
本気出さなくても…負かす気で行こう。


色々考えてるうちに、試合の準備は出来てた。
この部の1年ってかなりのハイスピードで準備するんだよね。…鬼の副部長の所為か。




「それじゃこちらから行きますぜィ」

『お好きにどうぞ』




これを合図に打ち合いが始まった。


沖田って見た目によらず力が強い。
近藤みたいなゴリラ体型じゃないし身長だって高くはないし…。こんなに力があるとは思わなかった。

ここは計算の読み違いだったとしても、それ以上の難点を見つけた。
スピードは速いし力も強い。その代わり…
結構雑。

本人も判ってるんだろうな、雑いって。
でもそれを諦めてるから更に雑。


どうしようかな…。




「考え事なんて余裕ですねィ」

『(しまっ…)』




後ろに沖田が回ってた。速い。
…こんなんで負けたくない。




「!!!」

『速さに関しては沖田の上だよ。正直危なかったけど』




振り下ろされた竹刀をギリギリで止めた。
本気だったらしいこの一撃。かなり重い。




「…辛そうですねィ」

『いや…以外と力強いなと』

「そりゃあ男ですから」




…何故か下の名前を呼ばれるよりも寒気がした。





剣道強い沖田君

( やっと男として見てくれましたねィ世名 )
( ちょ、キモいんだけどウザいんだけど )

この後、かなり腹が立って沖田を負かしました。




◎沖田は多分、ヒロインが好きっていうよりもからかう?みたいな…好きかもですね←
20111102


 
BKM
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