クラスメイトのドヤ顔に腹が立った15の秋 | ナノ

クラスメイトのドヤ顔に腹が立った15の秋

01.ギターが上手な高杉君

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私の学校には音楽コンクールなんて厄介な行事がある。
正直な話、文化祭とかしたいけど高校がやってるし…。



そんな中学生の唯一の希望が有志。
クラス対抗の合唱以外で、演奏したり踊ったり…そういうことができる。



でもまぁ、面倒だしやりたくなかったっていうのが本音。
よく注目。
やりたくなかった…だよ。
過去形なんだからねかなり大事。




「世名、練習すっぞ」


『んー…』




バンド組もうぜとか高杉が言い出して、ギターとベースとドラムは決まってたらしい(主に鬼兵隊だけど)。


それから、グラサンが作曲とかするからキーボードがいないってなって…。
ついでに音楽判る人も居ないって。



それで何故か私が選抜された。




『…鬼兵隊でやればいいのに何故私を巻き込む』


「あぁ?お前なんとかってピアノのコンクールで表彰されなかったか?」


『…で?』


「キーボード出来るし音楽知識ありそうだし」


『人は見かけで判断しちゃいけないんだよ。バンドやったことないし』


「なんとかなんだろ」




一瞬本気で殴りたくなった。
でも高杉と言い合ったところであっちが折れるわけないし、そんなことしてる時間も勿体ない。



もっともバンド練習なんかしてる時間も勿体ないけど。




「とりあえず今日楽譜貰ったから頼むわ」


『意味判らん。とりあえず各自自主練って言っといてよ。15分後合わせる』


「だってよ」


「了解したっス」


「ツンデレというやつですかね…惹かれますねぇ…」




…変態退場令出していい?




 * * *




『それじゃ、15分経ったから合わせます。ドラムカウントお願い』


「ワンツースリーフォー」




…?
案外しっかりしてるこのバンド。



ドラムの金髪が少し飛ばし気味だけどそれはドラムっぽいと思う(詳しくないから知んないけど)。
それに、ベースの変態がテンポ安定してて歯止めになってる。



…高杉は普通に上手い。



てゆうかこれ誰か歌わないの…?




「ふぅ…どうだ」


『…初心者?あんたら』




自信満々に頷く3人。



無駄にムカつく。
その子供っぽい満面の笑みやめない?




『ドラムとベースはもうちょっと頑張って。高杉…あんた結構上手い』


「ふっ、そうだろ?」









ギターが上手な高杉君


(誰か今高杉のドヤ顔見た!?)
(あん?ドヤ顔なんかしてねーよ。つーかしてるわけねーだろ馬鹿にすんな)
(はぁ…ヤケになっちゃって大人気ない…)




◎ちなみに高杉がボーカルらしいです。
20111026


 
BKM
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