クラスメイトのドヤ顔に腹が立った15の秋 | ナノ

クラスメイトのドヤ顔に腹が立った15の秋

10.最終回

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誰かが私を呼んでる気がした。気のせいだと思ったのも自分。


私は…どうなった?




 * * *




「先生!」

「沖田……!」

「世名は大丈夫ですかィ…!?」

「…一番ノリだぜお前やっぱ世名のこと好きだろ」

「ふざけないでくだせぇ!!!」




ふざけたくなんか…ねーよ。


沖田には皆が揃ってから話すと言って、病院を出た。

イライラしてんのかタバコが吸いたくてたまんねー。
あのバカ野郎。無理しすぎだバカ。もうバカとしか言えねぇ。


世名の病状は重いものではなかった。
だが手術が必要で、手術をするにはまずある程度体調を整える必要がある。その後だって軽くリハビリがあるはずだ。

医者は銀魂付属中学の生徒として世名を見ていて、そのまま高校に行くと思ってる。
つーか受験なんて論外だとよ。


俺はどうすればいい。世名になんて言えば…。




「こんなとこにいやがった」

「高杉か」

「揃ったぞ」

「そうか…」




コイツらにはさっきの話をしっかりした。何も言わねえ。
いや、言えねぇのか。




「世名さん…ずっと勉強してましたよね」

「休み時間だってしてたわ」

「この前なんか走りながら暗記カード見てたアル」

「…そういやバンドの練習中は楽譜にも単語を書いてたっけか」

「この前ミントン誘ったんですけど、片手で暗記カード見ながら相手されました」

「結果は?」

「………負けました」

「はっ、天才か」




この様子を見てると、土方は多分狂ってる。

絶対気にするとこ違うからね!!




「……アイツが目覚めたとき俺はなんて言やいいんだよ」

「先生…」




と、沖田が居ないことに気が付いた。




「沖田は…「世名!起きなせェ」沖田お前…」




病室から沖田の声が聞こえた。入ったらため息つかれた。

どんだけ頼りないんだ俺。




「一番辛いのは世名でさァ…。俺ァせめて…側にいたい」

「沖田……」

「……」

「……」

「世名!早く起きなさい!」




沈黙を破ったのは猿飛だ。

命令形かよ。でも…。




「そうアル世名。あとカッコつけてんじゃねーヨドSが」

「世名ちゃん、起きましょう?世名ちゃんはこんな弱々しくない」

「…起きたらマヨネーズくれてやるから起きろ」




次から次へとうるせぇ連中だな、たく…。




「世名…起きろ」

『ん……銀…時………?』

「「世名!!」」

『…沖田と銀時がハモってるの初めて見た』

「…案外元気ですねィ」




全くその通りだ沖田。
まぁマヨラーとハモんのと比べたら全然いいからね。もちろん。

良かったんだよ…な。




「「「世名(さん)!!」」」

『え、何これ此処何処?』

「病院」

『へぇ…』

「とりあえず世名にも話すから」

『受験無理なんでしょ』

「!!!!」




わかるよそのくらいと言いながら世名は嘘っぽく笑った。




『いいんだよ、もう』

「世名…」

『だってさ、こんなに優しい仲間に囲まれて…ワガママなんだよ私』

「…………」

「世名大好きアル!」

「私もよ」




どいつもこいつもなんなんだよ。
俺もとか私もとか言ってんじゃねーよ。そんなこと世名は判ってる。




『銀時もまぁ好き…だよ?』

「俺もだ世名」




 * * *




結局私は銀魂高校行き。
でもそれでいいの。もう。

だって大事な友達だっているし。




『おはよー』

「世名!退院おめでとネ」




馬鹿ばっかだけどそれでも…こんないい奴ら多分いないから。







仲間自慢の相川世名

( 世名のドヤ顔初めて見たアル )
( どうだった? )
( 可愛かったわよ )
( …付き合ってくだせぇ世名! )
( ありがと妙。総悟は考えとく )
( !!!! )




◎20111114


 
BKM
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