PRESENT
▼meeting you make me happy
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※名前変換なし
まだ数日前まではただの人間だった伊勢葵。
彼女はある神社に向かっていた。
「(白沢…様…)」
その名は、今葵が唯一心を開く神に教えてもらった名だ。
わりかし近所の神社に住む神で、人間を守る。そういう神らしい。
何かを守るには変わりないという理由で向かったが、まだ気は乗らない。
神々に会うなかで、葵は少しずつ、人間じゃなくなる気がしていた。
それだけが色々なことを拒ませた。
「(あ…神……気)」
こういうのが判るのか、と心の中で小さく自嘲した。
もともとはただの人間だ。
人間に生まれ人間に死にたいと、人間は密かに願っているだろう。
朝起きたら犬になってましたなんて冗談じゃ済まない。
人間以下にも、人間以上にも。人は成ることを望まないのだ。
例え神に成るという話でも。
「神か?そこにいるのは」
「あ……」
神社に入るのを少し躊躇していた葵に、白沢─もとい歩音は気付いた。
「私は…伊勢葵……守り神です…」
「あぁ、話には聞いている。緊張しなくて良い。同じ神だ。」
「……っ神…」
「……今の私は人間の姿だ。中に入れ」
葵を気遣ったのであろう、歩音は神気を抑えた。
それだけでも葵の心は軽く、楽な気持ちにさせてくれたのだ。
部屋に案内した歩音は神使の2人に、茶と菓子を頼んだ。
葵はただ、固まっている。
「…神は嫌いか?」
「いえ!!…親切な方ばかり…ですし……」
「なら神になった自分が嫌いか?」
「!!!」
「(図星か…)」
歩音はクスリ、と笑うと、葵のすぐ近くまで来た。
「自信を持て」
「…なにに自信を持てばいいんですか?私が…」
「そうだな…。神は人間がわからない」
葵は少し驚いたらしい。
彼女の中で神はなんでも知り得る存在だった。
その認識を歩音はあっさりと打ち砕いた。
「葵は…人間が良くわかるだろ?」
「はい…」
「なら人間でありながら、神である己を誇れ」
歩音のそう言った表情は、無表情ながらも温かみのあるものだった。
「それから…」
「?」
「葵は守り神だろ?」
「はい…」
「神に守られ、葵が守りたいと思うものを守る存在だ」
「私が?」
その葵の質問には答えずに、歩音は無言のまま葵を優しく撫でた。
葵はびっくりしたのか体を固くした。しかしそれも数秒。
安心してしまう程、歩音の手は暖かかった。
「助けたいと願ったとき…いつでも力を貸してやろう」
「白沢…様……」
そう言ったあと、葵は意識を失った。
まだ神化するのと、他人の神気に慣れていないのだろう。
歩音は葵を抱き上げると、神社を出た。葵の家を事前に知っていた。
歩音は葵の寝顔にやわらかい視線を向け、家へと向かった。
* * *
「ん…」
葵が起きたとき、そこは見慣れた我が家だった。
一瞬、昨夜は夢だったのかと思ってしまう。
しかし、そうじゃないと彼女は思った。
「茶菓子…」
昨日歩音が神使に菓子を頼んでいたのを、葵は記憶している。
テーブルの上に置いてあるのは恐らくそれだろう。
また、白沢様に会いに行こうとか思いながら、葵は人間としての日常に戻っていった。
meeting you make me happy
( 白沢様に会ったから守り神として生きることを決められました )
( 葵が立派な神になることを期待している… )
▼姫華さん
いや〜…やっぱりダメですね第三者視点…。
少し中二病じみてるのは…多分気のせいじゃないですね。
ハセガワケイスケさん譲りですwww読みすぎか私…
…英語合ってるんですかね?
いやこんな簡単な文間違ってたら受験生としてどうかと思いますがmeetingって合ってるのだろうか(苦笑)
あ、ちゃんとイラストでの歩音ちゃんの台詞も使わせていただきました♪
先輩も意識しましたね、歩音先輩(●´mn`)
こんな駄文ですが、満足していただけるとありがたいです。
末長く仲良くしてやってください(^^)
◎姫華さんのみお持ち帰り可
20111221