PRESENT
▼真実は夢の狭間
1/4
『ねぇ晋助』
「どうした?」
『私、晋助の幼なじみで良かった。今更だけど』
「本当に今更だな」
『えへへ…ずっと一緒に…いてね』
「…あぁ」
♪
「○○、やっぱ走るの速いな」
○○?
そこは世名だろ?
…夢か。
随分小さいときの思い出だな。
「今度こそ抜かしてやる」
「調子のんなよ」
「一緒に…帰るか」
…なんで世名が出てこねぇんだよ…。
あの時俺の横に居たのは世名だ。
この夢の俺は何を握っている?
何に照れている?
あの時俺はあいつの手を握ってたはずだ。
それがどうしようもなく恥ずかしかったはずだ。
なのに…。
世名は何処だ?
何処にも…居ねぇじゃねーか。
♪
不安で仕方なかった。
居たはずなんだ。
横に。
そっと棚を開ける。
ここに思い出がある。
世名との写真。
銀時やヅラの写真。
ここにあるんだ。
世名との思い出が。
アルバムを見る。
心臓が跳ねるように脈を打つ。
こんなのあるわけ…ないだろ?
なんで世名の写っている写真が一枚もない…?
♪
「…世名、お前は…この世界の住人じゃない」
世名はきょとんとした顔で晋助を見る。
それから可笑しそうに笑う。
『何言ってるの?
私はずっと晋助と一緒に居たよ?』
「それはただの虚言だ。今だって…。
一緒に居ねぇんだよ…」
『…熱でもあるっ…!!』
晋助が写真をばらまいた。
一緒に居たはずの…晋助しか写っていない写真を。
『なに…これ…』
「…写真だ」
『嫌…!!!こんなわけない!!
私は…居たよ?』
「…居ないじゃねーか……」
冷たい風が2人の間…。
高杉晋助だけの…前を通った。
真実は夢の狭間
(私はずっと此処に居る。それは嘘じゃないと信じたい)
(お前はずっと遠くにいたんだ)
◎礼華様・千嘉様・藍夜様合同相互記念
110714
礼華様・千嘉様・藍夜様のみお持ち帰り可