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真実は夢の狭間

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『ねぇ晋助』


「どうした?」


『私、晋助の幼なじみで良かった。今更だけど』


「本当に今更だな」


『えへへ…ずっと一緒に…いてね』


「…あぁ」









「○○、やっぱ走るの速いな」




○○?
そこは世名だろ?



…夢か。



随分小さいときの思い出だな。




「今度こそ抜かしてやる」


「調子のんなよ」


「一緒に…帰るか」




…なんで世名が出てこねぇんだよ…。



あの時俺の横に居たのは世名だ。



この夢の俺は何を握っている?
何に照れている?



あの時俺はあいつの手を握ってたはずだ。
それがどうしようもなく恥ずかしかったはずだ。



なのに…。
世名は何処だ?
何処にも…居ねぇじゃねーか。









不安で仕方なかった。



居たはずなんだ。
横に。



そっと棚を開ける。



ここに思い出がある。
世名との写真。
銀時やヅラの写真。



ここにあるんだ。
世名との思い出が。



アルバムを見る。



心臓が跳ねるように脈を打つ。



こんなのあるわけ…ないだろ?








なんで世名の写っている写真が一枚もない…?









「…世名、お前は…この世界の住人じゃない」



世名はきょとんとした顔で晋助を見る。



それから可笑しそうに笑う。




『何言ってるの?
私はずっと晋助と一緒に居たよ?』


「それはただの虚言だ。今だって…。
一緒に居ねぇんだよ…」


『…熱でもあるっ…!!』




晋助が写真をばらまいた。



一緒に居たはずの…晋助しか写っていない写真を。




『なに…これ…』


「…写真だ」


『嫌…!!!こんなわけない!!
私は…居たよ?』


「…居ないじゃねーか……」




冷たい風が2人の間…。
高杉晋助だけの…前を通った。







真実は夢の狭間

(私はずっと此処に居る。それは嘘じゃないと信じたい)
(お前はずっと遠くにいたんだ)





◎礼華様・千嘉様・藍夜様合同相互記念
110714

礼華様・千嘉様・藍夜様のみお持ち帰り可

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