薄桜鬼 | ナノ
無理してるのは
『土方さん、無理…しないでください。』
「わーってる。」
って言いながら、ずっと筆が動いている。
これだから千鶴ちゃんが心配しすぎて体調壊したって…。
わかってるのかな?
『もう寝てください。私も千鶴ちゃんに怒られます。』
しつこかったため、土方は無視という作戦に出た。
しかし、彼女には奥の手がある…。
『はぁ…。体調崩してたけどお兄ちゃん呼んでこようかなぁ。』
お兄ちゃんとは、沖田総司のことである。
どんなに体調を悪くしていても、可愛い妹のためならなんでもする。
それを土方はよく知っている。
「寝りゃいいんだろ?寝りゃ…。」
『はい!』
彼女は、せっせと布団を出した。
『さぁどうぞ!!』
満面の笑みで。
「…たく…。おやすみ。」
『おやすみなさい、土方さん♪』
しばらくたった。
土方が寝たのを確認し、彼女は屯所を出た。
走って、兄のところへ行く。
兄がいる屋敷は静まり返っている。
そっと部屋に入った。
「あれ、来たの?」
『まだ起きてたんだ、お兄ちゃん。土方さん寝かして来たから遅くなっちゃった。無理しすぎだよね。』
沖田は、それを聞いて声を出さずに笑う。
「おいで。土方さんの相手じゃ疲れたでしょ?」
『うん…。一緒に寝るの…?//』
もうそんな年齢じゃないよと言いながらも、小さい体で布団に入った。
「大丈夫だよ、あんまり成長してなさそうだし。」
『お兄ちゃん!?』
「じゃ…おやすみ。」
『…おやすみなさい。』
──翌日
「ぐっすり寝てますね。」
「あ、千鶴ちゃん。いらっしゃい。」
明るい笑顔で2人を見る。疲れはもう飛んでいそうだ。
「千鶴ちゃんも疲れてそうだよね、土方さんの世話じゃ。」
「そんなことないです//土方さんは…///」
赤い顔をする千鶴を見て沖田は優しい笑みを漏らす。
「私は…2人が心配です。」
「2人って、土方さんと昼間まで寝てる可愛い僕の妹?」
こういう言い方は、薫っぽいから少し嫌だと千鶴は思う。
でも、同時に羨ましく思う。
不思議だ。
「はい。土方さんが無理するって言って世話して…。結局翌日は疲れてる様子だし…。」
沖田は溜め池をつき、笑った。
「結局、どっちが無理してるのかわからないよね。」
『…む…りなん…か…し…て……な…。』
沖田と千鶴は目を合わせ、楽しそうに笑った。
無理してるのは
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書き方がなんか嫌だ←
110603