薄桜鬼 | ナノ
家族のための結婚
とてつもなく、大好きなのに許されない。
この思いはどうしたらいいですか?
♪
彼女は校庭を見る。
その先にはいつもある男がいる。
「また永倉先生見てるの?」
違うよ、と、猫が鳴くように言った。
そう、本当に違う。
彼女の目に映っているのは…。
永倉先生の隣にいる…原田先生…なんだ。
大人っぽくて…って当たり前か。
まぁ、格好良くて優しくて…。
でも、ちゃんと、判ってる。
あの人に恋しちゃ…いけない。
原田は教師であって、クラスにいるそこら辺の彼女と同じ立場にいる男子とは違う。
判ってる。
でもどうしてもダメで…。
♪
「あー、そういえばさ、原田先生教師辞めんだってー。」
翌日、情報通の友達がどうでもいいように言った。
実際、その友達にとってはどうでもいいことだ。
彼女にとっては大問題だが…。
『なんで…?』
恐る恐る訊く。
「結婚だってさー。雪村千鶴って先輩だったと思う。てかさー、あの人の兄って格好良いけどかなりのシスコンじゃん?よく許したよねー。」
彼女は言葉を失う。
なんで…。
なんで私が諦めた人を、私と同じ立場の人が手に入れられた…の?
そんなの…。
ひどいよ。
その日から彼女は窓を見なくなった。
♪
私ね、また好きな人が出来たの。
南雲薫先輩。
もう大一の先輩で…学校には居ないけど頑張って同じ大学行って…。
結婚してってプロポーズするの。
なんでって先輩が格好良いから。
でもね、それ以上に…。
原田先生と家族になれるから。
家族になるための結婚
◎展開読めてすみません(´・ω・`)
110924