薄桜鬼 | ナノ

家族のための結婚





とてつもなく、大好きなのに許されない。



この思いはどうしたらいいですか?









彼女は校庭を見る。
その先にはいつもある男がいる。




「また永倉先生見てるの?」




違うよ、と、猫が鳴くように言った。



そう、本当に違う。
彼女の目に映っているのは…。



永倉先生の隣にいる…原田先生…なんだ。
大人っぽくて…って当たり前か。
まぁ、格好良くて優しくて…。



でも、ちゃんと、判ってる。



あの人に恋しちゃ…いけない。



原田は教師であって、クラスにいるそこら辺の彼女と同じ立場にいる男子とは違う。



判ってる。



でもどうしてもダメで…。









「あー、そういえばさ、原田先生教師辞めんだってー。」




翌日、情報通の友達がどうでもいいように言った。



実際、その友達にとってはどうでもいいことだ。



彼女にとっては大問題だが…。




『なんで…?』




恐る恐る訊く。




「結婚だってさー。雪村千鶴って先輩だったと思う。てかさー、あの人の兄って格好良いけどかなりのシスコンじゃん?よく許したよねー。」




彼女は言葉を失う。



なんで…。
なんで私が諦めた人を、私と同じ立場の人が手に入れられた…の?



そんなの…。
ひどいよ。



その日から彼女は窓を見なくなった。









私ね、また好きな人が出来たの。



南雲薫先輩。



もう大一の先輩で…学校には居ないけど頑張って同じ大学行って…。
結婚してってプロポーズするの。



なんでって先輩が格好良いから。



でもね、それ以上に…。



原田先生と家族になれるから。









家族になるための結婚




◎展開読めてすみません(´・ω・`)
110924


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