薄桜鬼 | ナノ

待ってる





彼女はとても…モテる。
かといって、彼氏がいるわけではない。




「先輩…!付き合って下さい!!」


『ごめん…。ちゃんと好きな人…いるから。』




なんでも、男子にも剣道で勝つ彼女は格好よく、おまけに成績優秀、学校自慢の副生徒会長で…。



申し分ない出来た女らしい。




「副会長。」


『…風間。』


「会長と呼べぬのか?気に食わん…。」




そんな彼女は、風間千景の幼なじみだ。




『千景って呼ぶよりマシでしょ?なんならちーちゃんって呼んであげようか?』




くすっと彼女は笑う。



風間は何も言い返せない。



そして、彼女は人に呼ばれ去ってしまう。









その日の放課後、彼女は生徒会室にいた。




「お、流石自慢の副会長。仕事早『不知火も仕事してちょーだい。』…。」




風間だけではない。
不知火も言い返せない。




『…なんか1人足りなくない?』




きっと、誰も言い返せないだろう。




「あいつなら学校休みだ。副会長、少し良いか?」


『まず仕事をして下さい、風間会長。』




諦め仕事にとりかかる風間。
どうしても、彼女には逆らえない。



仕事が終わり、皆で帰る。



…予定だがいつも彼女は剣道部に捕まる。



しかし、なぜか今日は




『ごめん、今日は用事があるんだ。明日は行く。』




と言った。




「おい、副会『待ってるから。』…?」




今まで見たことないくらい切なく、綺麗に笑った。




『今日誕生日でしょ?なんでもお願い聞いてあげる。結婚してでもなんでもどうぞ?』


「……!!!//」




待ってるからの意味を不知火が理解するのと、風間が告白するまであと……。









待ってる




◎110924


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