ぬら孫 | ナノ
30分の幸せ*
なんとなく過ぎていく日々に飽きて、どうでもよくなって。
そんな生活がずっと。
少しでも変化があればいいのに。
でも変化なんてなかなか来なくて、変化を作る勇気も持ってない。
「どうかしましたか?お嬢様」
『何でもない』
そもそも1人の時間なんてない世名は、変化なんて作れるわけがないのだ。
自由時間なんて精々寝る前の30分程度。
そんな短時間で出来ることなんて限られてる。
一生涯、私は鳥かごの中なんだろうな。
♪
「邪魔するぜ?」
『え?』
突然聞こえた声に驚きの言葉を漏らす。
声のした方を見れば1人の男が窓枠に腰かけていた。
『…どちら様です…か?』
「奴良リクオ。じじぃに行ってこいって言われてな」
『じじぃ…?』
リクオは鼻で笑うとすっと世名のそばまで来た。
「俺の祖母はお前さんのご先祖様の親戚らしい。
名前を教えてくれやしねーか?」
『相川…世名…』
「へぇ…世名か。明日も来るぜ」
リクオは去っていった。
姫の頬に愛おしそうに触れてから。
『奴良…リクオ…』
30分の幸せ
(私の日々を変えてくれる気がする)
(さすがわしの孫じゃなリクオ)
(バっ!!!じじぃと一緒にすんな!)
◎りな様リク
110917