ぬら孫 | ナノ

素直になれない*





『リクオー…』


『ねぇってば』


『聞いてますかー?』


「うるせー!こっちは仕事してんだ。後にしろ」


『リクオのケチ』









私のご先祖様は首無の親戚。
私の両親は旅行中。



だから今、私は奴良組にお泊まり中。



首無かっこいいし黒かっこいいし…。



何よりリクオがかっこいい!!
それに同じ年とくれば付き合うしかないでしょう!




『リクオー』




って呼んでも無視される始末だけどね。



うん。
悲しくなってきた。



首無と(ご先祖様が)親戚なのに私は美形じゃない…。



雪女顔変わって。




『…あっ黒!リクオがケチだから一緒に話そう?』


「リクオ様は忙しいですからね。今は暇なので話しましょうか」


『やった!話そ話そー』




暇潰し相手ゲット!



黒だしかっこいいからテンション上がる。
面食いですけど何か?




「待てよ、世名」




この声って…。




『リクオ?』


「もうすぐ終わるから…。相手してやる」


『えっいいの!?じゃあそれまで黒と話そー』




黒と話せてリクオと話せて…うん。
幸せだねっ。




「…なら俺は世名の相手してやんねぇ」




黒が苦笑しながら歩いていった。



どういう意味?
リクオの今のセリフ…。




「だから…」


『わっ』




気付いたらリクオの腕の中にいた。



腕?
私抱かれてんの!?




「…俺以外の男とあんま喋んなよ。俺だって嫉妬するんだ…なぁ?」




微妙に頬が赤い。
こんなリクオ初めて見た…。



きっと私の顔も熱い。



だから言ってやった。




『なんか照れるんだけど…。リクオ…好き…だよ?』


「とっくにわかってらぁ…。好きだ、世名…」


『うん…!』









素直になれない

(リクオって素直じゃないね)
(…うるせぇ)





◎聖羅様リク
110710



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