ぬら孫 | ナノ

モノクロームセパレート





私は陰陽師で、貴方は妖怪。白と黒。

ズルいよ、やっぱり。




 * * *




『あれが奴良組…』




私は、ゆらの護衛をしてる。


大事な子だから傷付けてはいけない。でも、本家にいるだけじゃ強くなれない。

だから、私が護衛をすることになった。
でもこれって可笑しい。これじゃ本家にいるのと変わらない。

守られてばかりじゃ強くなれないのに。




「世名義姉ちゃん?」

『ゆら…そろそろ奴良組に加勢する』

「判った。…奴良君は悪い妖怪ちゃうで」




一応って感じに言ったゆら。

相当竜二はその奴良君が嫌いなんだろうな。



妖怪は妖怪で絶対悪。
でも今は京妖怪しか眼中にない。

じゃなかったら現在進行形で奴良組倒してる。




『大丈夫だよ、ゆら。仮に奴良組と戦うことになっても京都を守ったあとだから』

「…安心できへんねんけど」

『今は、大丈夫ってこと。それじゃあ暴れるよ』

「うん!」




京妖怪がなんだってんだ。
ざこい連中だってわんさかいるんだから女は無理だって決め付けないで。


私の剣捌きは花開院一。まぁ剣道とかずっとやってたしね。
竹刀振り回してるのが好きな馬鹿だ。

それに私が使ってるのは伝説の13代目が作った刀。
こんだけ使い込んでたら体の一部。




『…ゆらはもう大丈夫だろうな。竜二が見守ってるんだし』




少し大きな仕事を終えた感じ。少し寂しいけど。

これで私は自分のことに集中できる。
ゆらに刀が当たらないよう気を遣ったりもしたけど…。その必用はもうない。




「おい…!!」

『ぬらりひょん?…つあっ…………』




背中斬られた。肌に伝う生暖かい血がどうにも気持ち悪い。
退散のしようもないし…。

このまま戦うしかない。



すぐ後ろを向いて妖怪を斬り掛かる。
その後も、何も気にせず戦うつもりだった。




『ぬらりひょん?』

「背中任せろ」

『あはは、ありがと』




後ろを任せられるというのは非常に戦いやすかった。

ゆらみたいに、私が一方的に守るんじゃない。
お互い守るからやりやすいんだ。


と、ぬらりひょんを倒そうとする馬鹿妖怪が一匹。




『爆…』

「ありがとな」

『…どういたしまして』




改めて…こんなに遣り甲斐のある戦いは初めてだ。




 * * *




「お前どうした?」

『……あ、竜二』

「大丈夫か?」

『大丈夫だよ。怪我人は静かにしときなよ』

「たく…人が心配してやってんだぜ?」

『大丈夫、私は竜二が心配だから』




本当は、大丈夫なんかじゃない。

彼…奴良リクオから目が話せない。


妖と人間ならまだしも、私は陰陽師。
駄目に決まってる。もちろん。

そんな私の心情は知らずに普通に友達。
妖怪なんて嫌いだ。自分勝手すぎる。

私の思いもしらないで。







モノクロームセパレート

( なぁ世名 )
( なんだ妖怪 )
( お前判りやすいよな、顔赤いぜ? )
( なっ!!!なんの話だ!! )




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20111130



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