狐の孫 | ナノ

狐の孫

21.解放と陰謀

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「百紅…まだ鬼童丸はここにおるぞ?」

『判ったんです…多分……妖気が』

「さすがじゃ」




玄関に着いたら、ちょうどそこにはお姉様がいた。




「ちょっとあなた!お姉様に馴々しすぎない!?」

『え?っと…』




私が知らない、可愛い女の子。




「よせ狂骨。妾の可愛い孫ぞ?」

「!!貴方が?」

『豊臣…百紅です……』

「ふーん…私は狂骨。名前くらい覚えといてあげる」




狂骨…ちゃん?は、お姉様が大好きなんだ。
きっと私より…ずっとお姉様を慕ってるんだろうな。




「ところで百紅。封印は解けた」

『はい』

「お前はどうじゃ?」

『え?』

「封印されていた妖気は解けた。百紅の妖怪としての血が目覚めたはずじゃ」




って言われても私には判らない。
何をどうしたらいいのか…。

妖怪の話なんて誰も教えてくれなかったよ。




「…心を落ち着けてみよ。それから……力を使いたいと願え」

『はい、お姉様…』




力を…使う。




『あのっ…何の為の力ですか?』

「…面白いことを聞くな、百紅は…。宿願を知るのはまだ早い。己の為と思え」

『はい…』




私の為に…?
私もやがて、戦うことになるって。そういうこと?

それが嫌だとは言えない。
もう何も知らないのは嫌だ。




『!!!』

「狐に近いのう、お主は」




2本の尾と…頭に耳が……。凄く変な感じ。
あ、いつも千が頭にナフキンを巻いてたのはこういうこと?

私じゃないみたい。




「そういえばお主…奴良リクオと知り合いだったな」

『友達、です…』

「使えるやもしれん」




お姉様は高らかに笑った。






解放と陰謀

( 百紅はまるで希望よのう。江に似ておる )
( 江? )
( 妾が豊臣にいた頃の妹で…千の母じゃ )
( ……!? )




◎祖母が姉妹ということに驚きを隠せない百紅ちゃん(^p^) 江の影響受けすぎてる気がする
20111206




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