狐の孫
▼21.解放と陰謀
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「百紅…まだ鬼童丸はここにおるぞ?」
『判ったんです…多分……妖気が』
「さすがじゃ」
玄関に着いたら、ちょうどそこにはお姉様がいた。
「ちょっとあなた!お姉様に馴々しすぎない!?」
『え?っと…』
私が知らない、可愛い女の子。
「よせ狂骨。妾の可愛い孫ぞ?」
「!!貴方が?」
『豊臣…百紅です……』
「ふーん…私は狂骨。名前くらい覚えといてあげる」
狂骨…ちゃん?は、お姉様が大好きなんだ。
きっと私より…ずっとお姉様を慕ってるんだろうな。
「ところで百紅。封印は解けた」
『はい』
「お前はどうじゃ?」
『え?』
「封印されていた妖気は解けた。百紅の妖怪としての血が目覚めたはずじゃ」
って言われても私には判らない。
何をどうしたらいいのか…。
妖怪の話なんて誰も教えてくれなかったよ。
「…心を落ち着けてみよ。それから……力を使いたいと願え」
『はい、お姉様…』
力を…使う。
『あのっ…何の為の力ですか?』
「…面白いことを聞くな、百紅は…。宿願を知るのはまだ早い。己の為と思え」
『はい…』
私の為に…?
私もやがて、戦うことになるって。そういうこと?
それが嫌だとは言えない。
もう何も知らないのは嫌だ。
『!!!』
「狐に近いのう、お主は」
2本の尾と…頭に耳が……。凄く変な感じ。
あ、いつも千が頭にナフキンを巻いてたのはこういうこと?
私じゃないみたい。
「そういえばお主…奴良リクオと知り合いだったな」
『友達、です…』
「使えるやもしれん」
お姉様は高らかに笑った。
解放と陰謀
( 百紅はまるで希望よのう。江に似ておる )
( 江? )
( 妾が豊臣にいた頃の妹で…千の母じゃ )
( ……!? )
◎祖母が姉妹ということに驚きを隠せない百紅ちゃん(^p^) 江の影響受けすぎてる気がする
20111206
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