狐の孫 | ナノ

狐の孫

16.あと少し

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『……』




今更だけど私は本当に無知。



ミッケドナルドってなんですか?
ずっと京都に住んでたのに…なんにも知らなかった。



ついでに此処何処?
神社に行って…鳥居さんと巻さんが居なくなったから探そうとして…え?



妖弧はもう屋敷だし…。
私が帰ってって言ったんだけど…。



私…迷子?




『どう…しよう…』




…?
何か来る?



妖怪って言われたときみたいに…ドキドキする。



コワイ




「こんなとこにも人間がいるぞ恐弟」


「しかも美味しそうな匂いがするじゃねぇか」


『妖怪……!!』




どうすればいい…?
妖弧さんか……鬼童丸がいれば…。




「食っちまおうぜ」


助けて…


「ん?何か言ったか?」


『助けて!!!』




そう叫んだ瞬間、体が浮いた。




「遅くなりました、お嬢様」


「…お久しぶりです百紅様」




そう言ったのは紛れもなく…妖弧と鬼童丸の声。




『鬼童…丸』


「元気そうで何よりです」


『本当に…鬼童丸だ』




3ヶ月ぶりくらい。
あっという間だったな…。



そういえば、私妖怪に囲まれて…。




「こいつら羽衣狐の…!!」


「逃げなきゃ危ないぜ!!」




あとは速かった。
びっくりするほど。



でも気になった。




『鳥居さんと…巻さん…!』




彼らが抱えてたのは間違えなくその2人。



見間違えるわけ…ない。




「…百紅様の御学友とあらば私が。妖弧は百紅様を連れて屋敷へ」


「畏まりました、鬼童丸様」




…なんで?
なんで“人間”の鬼童丸が“妖怪”を倒そうとしてるの?



なんで“妖怪”は…お姉さま、“羽衣狐”を恐れたの?



なんで。
なんでなんでなんで。



ナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデ…




「お嬢様!お気を確かに!!」


『妖…弧…』




恐かった。



お姉さまが私に色々隠してた理由。
妖怪って言葉を聞いたときの動悸。
私が住んでる…狐とあの花を祭るらしい神社。



全てが上手く繋がる…。









あと少しで全てがわかる


(お嬢様…屋敷で話しますから)

(今はゆっくり休んでください)




◎そういえば神社の裏側に狐の置物があったらしいよ←
20111025




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