狐の孫 | ナノ

狐の孫

15.陰陽師と狐

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《百紅?久しぶり》


『お姉様!お久し振りです』




元気そうな声で迎えてくれた。
それだけなのに、なんだか泣きそうで。



受話器を強く握り締めた。




『嬉しいです、話せて…』


《ふふ、私もよ?百紅》


『ところでお姉様。お話があります』


《なに?》


『夏休み、友人と一緒に屋敷に行っていいですか?』




許可を貰えるかは全く判らない。
貰えなくても、とにかくお姉様には会いたい。



貰えたら貰えたでいいと思うし。




《名前、教えてもらえる?》


『えっと…。
清継君、リクオ君、カナちゃん、氷麗ちゃん、鳥居さん、巻さん、倉田君の7人です』




ゆらちゃんは多分自分の家に帰ると思う。
そもそも、今、京都だし。



元気かな、ゆらちゃん。




《そのリクオ君…名字は?》


『?…奴良です。奴良リクオ君』




鼻で笑う声が聞こえた気がする。




《百紅、貴方1人で来て。大事な話をするから》


『…判りました』




受話器を置く。



結局無理だった。
許可貰えるかもなんて思ってた私は浮かれてた。



でもゆらちゃんちもあるし!
陰陽師って優しいイメージあるから泊めてくれると思う。









それは宿敵

(この時もまだ、浮かれてたよね)




◎もうすぐ羽衣狐偏!次話から入っても大丈夫そう←
111009




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