狐の孫
▼14.いつも通り
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『京都?』
「夏休みの自由研究にどうだいっ豊臣君!!!」
『京都…か…』
夏休みの予定について、相談に乗ってる途中。
でも、京都って、修学旅行に行くよね?
それに、お金もかかるんじゃ…。
『予算の問題もあるし、しんどいんじゃないかな?』
「そこでだよ豊臣君!!!」
『え?』
「ホテル代を浮かしたいから豊臣君の家に泊めてもらいたいんだ。だめかね?」
家にはお姉さまや鬼童丸がいる。
行きたいとは思う。
でもその決定権を持ってるのは私じゃない。
『一応…お姉さまたちに訊いてみる。もし無理でも…ゆらちゃんの家もあるし』
「ありがとう豊臣君!それじゃあ、明日みんなに言うよ!!」
『わかった。それじゃあまた明日』
大きく手を振ってることから、よっぽど嬉しいことが伺える。
小さい子みたい。
清十字怪奇探偵団の中で一番身長高いのになぁ。
(「お嬢様そういう問題では…」by妖弧)
「子供みたいですね」
『うん、まぁまだ子供だけど』
「そうですね…」
しばらく沈黙が続いた。
そうですねって言った妖弧の顔がちょっと切なくて。
ちょっとだけ泣きそうになった。
『お姉さまに電話していい?』
「ええ!!勿論です」
いつも通り
(やっぱり明るいほうが妖弧らしいよ)
(そっそうですか!?//)
(…なんで照れてるの?)
◎110918
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