狐の孫
▼13.ちょっと嬉しい
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『妖弧さん、行こう』
「はい。それから、鬼童丸様と同じように呼び捨てで構いませんから!」
構わないって話じゃなくて、妖弧って呼んで欲しいんでしょ?
いつも、忘れちゃうけど。
最初は嫌だったけど、妖弧が一緒に学校に来るのも慣れた。
執事並って、こういうことみたい。
『妖弧、この前、邪魅って妖怪退治に行ったでしょ?』
あの時妖怪を見た…と思う。
清継君の憧れの妖怪そっくり。
話しか聞いてないから、確信はないけど。
色々特徴は一致した。
『妖怪って、本当に居るんだ』
「…居ると思ってたから今の部活に入部されたのでは…?」
『違う、面白そうだったから』
妖弧は小さくうふふ、と笑う。
妖弧はこんなに優しく笑うんだ。
私はいつもどんな風に笑ってるんだろう。
「似てますね、少しだけ、羽衣狐様に」
『本当?』
「はい!」
ちょっと嬉しい
(私お姉さま大好き)
(見てれば判ります)
◎110831
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