狐の孫
▼12.心配されてる
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『えっと…じゃあヨウコさんはお姉さまの命令で此処に?』
「はい!お嬢様1人で暮らされるなんてとんでもない話ですから。
執事並に頑張らせていただきます。目標はもちろん鬼童丸様ですね」
よく喋る人。
でも、淋しくないってことだよね。
ヨウコさんなんて初めて聞くけど。
『漢字は?』
「妖怪の妖に、狐と書いて妖弧と申します。判りませんでした?」
『へぇ…お母様も不思議な名前を付けたんですね』
「そ…そうですね…」
なんか、凄く焦ってる様子。
ソワソワしてる。
私、そんなに変なこと言ったかな。
「あの…お嬢様は、羽衣狐様の詳細をご存知ですか?」
『ううん、知らない。皆、私には隠し事してる。鬼童丸もね』
そうですか…と言って、妖弧さんは笑う。
「お嬢様は…お姫様なんですね」
『え?』
「屋敷の皆様が、お嬢様に余計な心配をかけさせたくないのでしょう。
貴方は、羽衣狐様に大切にされている。だからこそ…。
遠ざけたのでしょうね、巻き込まないために」
私は、お姉さまが心配
(…お姉さまは私の為に無理してるのかな)
◎110818
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