狐の孫 | ナノ

狐の孫

12.心配されてる

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『えっと…じゃあヨウコさんはお姉さまの命令で此処に?』


「はい!お嬢様1人で暮らされるなんてとんでもない話ですから。
執事並に頑張らせていただきます。目標はもちろん鬼童丸様ですね」




よく喋る人。
でも、淋しくないってことだよね。



ヨウコさんなんて初めて聞くけど。




『漢字は?』


「妖怪の妖に、狐と書いて妖弧と申します。判りませんでした?」


『へぇ…お母様も不思議な名前を付けたんですね』


「そ…そうですね…」




なんか、凄く焦ってる様子。
ソワソワしてる。



私、そんなに変なこと言ったかな。




「あの…お嬢様は、羽衣狐様の詳細をご存知ですか?」


『ううん、知らない。皆、私には隠し事してる。鬼童丸もね』




そうですか…と言って、妖弧さんは笑う。




「お嬢様は…お姫様なんですね」


『え?』


「屋敷の皆様が、お嬢様に余計な心配をかけさせたくないのでしょう。
貴方は、羽衣狐様に大切にされている。だからこそ…。
遠ざけたのでしょうね、巻き込まないために」










私は、お姉さまが心配

(…お姉さまは私の為に無理してるのかな)




◎110818




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