守り神 | ナノ

守り神

62.相互作用

62/62

この数日。私はひたすら神様に会ってた。
牛若丸様に再度お願いに行ったり、隣の町まで行ったり。

お陰さまで瞬間移動をしても、私ひとりなら倒れなくなった。
前までは瞬間移動先はベッドだけだったのに、それ以外のとこにも行けるようになったから凄く便利。

ただし二回目の瞬間移動をした際、着いたときにはすでに寝てるけど。
相変わらずの疲れよう。いや、前以上か。


とにかく、そろそろ動き出す気がする。
スピード戦で四国妖怪も疲れ切っていたようで、私が神様巡りしてる間一度も動かなかった。
もう、動きだしてもいい頃なんだ。




『犬神、ちょっと来て』

「なんぜよ」

『はい、これ』




犬神の腕に無理やりブレスレットをつけた。
ブレスレットと言っても、お守り感満載の……数珠っていうの?違うか。

一応オーソドックスな無色の石を使ったけど、緑とかいれても良かったかもしれない。
そしてこれは、僅かだけど神気を感じる。




『私の手作りなの。神様が作ったものは思いが宿るんだよ、私の着物みたいに』

「思い……」

『私は神様の思いでできた神だから…。離れてても犬神を守りたいし』




照れ隠しなのかなんなのか。
犬神は一言も喋らない。
でもブレスレットを握り締めてる。

うん、喜んでおく。

ちなみに作製秘話だけど、この石はひとつずつ違う。
神社に行く度に、神様から一個ずつ貰ってた。
だからより強い神気が宿るはず。




『じゃあそろそろ行こうか』

「?…何処に……」

『戦場』




神化をしたあと、にっこりと笑って見せた。
少しでも犬神を安心させたい。
まだ、四国妖怪との争いに抵抗がある。
仕方ないことだけど、それはきっと邪魔になるから。

犬神は、私を安心させてくれた。
だから次は私が犬神を安心させる番。


犬神、自分を信じてあげて。
四国妖怪を裏切ったこと、もう気にしなくていいんだよ。






相互作用

( 犬神の思いは私の力になる )
( 葵が俺を思ってくれる度に、俺は葵を思う )




◎なんか両思いみたいで可愛い!とか思ってしまった管理人。
20120720


 

  back

「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -