守り神
▼58.2人が最後
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ひどい。奴良組も犬神も一向に来る気配がない。
私が捕われてるかもとか思って犬神は奴良組に行ったんじゃないの。
ひどいなんか。
『(…疲れた)』
こっちはこのひどい環境で人間の姿にならないように精神状態必死なのに…。
早く来て欲しい切実に。
…来た。誰か奴良組……。確か牛鬼のときの…?
何が目的かはわからないけど、多くの四国妖怪に紛れてる。
偵察…かな。
今、四国妖怪の幹部は居ない。なんでもたくさんの味方が来るんだとか。
その味方を迎える…。その味方に奴良組が交ざってる…。
偵察以外なんでもないな。
2人で私を助けようとしているわけではないと思うし。
『(檻…壊すか)』
嫌な予感。的中率はほぼ100%。
外れたことはないけど…外れてほしいからほぼ100%。
なんとなく、危ない。2人が。
何回も妖怪を助ける義理はないけどリクオに見せる顔ないしね。
『神様…私に、この檻を壊す力を貸してください。そして…白き神気よ、我の右手に集え』
これで檻に触れれば壊れるはず…。うん、壊れた。
柵の付け根に触れるとそこから徐々にひびが入って、しまいには粉砕した。
力強過ぎたかな…。
まぁいい。目的は、これだから。
『…四国妖怪から私をお守りください、神様方…。奴良組は、傷つけたくないから』
自嘲気味に笑った。
狸も言ってた。
私は…奴良組を倒すだけの力を持ってる。
戦う必要なんてない。妖怪を攻撃する光を右手なんかに集めずに普通に放てば…それでお終いだ。
だから…。桜様の言った通り、私はもう…妖怪に関わらない方がいいかもしれない。
傷つけたくないから。
2人が最後
( 2人を守り切って…私は奴良組に別れを告げる )
( だったら傷1つない状態で返さないとね )
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20111218
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