守り神
▼49.そして倒れた
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『ねぇ犬神…あなたどうするの?』
「俺は…誰も信じられねぇ」
だよね。
犬が一番信頼してたのは狸。
その狸に裏切られたんだから。
あ、信頼といえば副委員長どうしてんだろ。
まぁいい。
私、ちょっと犬気に入ったかも。
『私のところに来ない…?』
「え!?」
『何?リクオ君。てゆうか人間に戻ってたんだ』
「外に出たからですよ…えっと…。はい、無視してください!!」
結局なんなんだ。
にしてもアレ、リクオ君のが可愛いよね、なんか。
メガネ外せばいいのに。
『…ねぇ犬神。神と妖、人間からしたらどっちも化け物…。わかるよね?』
「あぁ…」
…だからどうする?
私も犬も化け物で…えっと…。
そーだ。
『神使なんてのもぴったりかもね。犬は飼い主に忠実で何かあったら守ろうとする。
私の象徴にぴったりじゃない』
「俺は!!」
急がなくてもいいのに。
答えなんてすぐに出るわけないんだから。
つか自分にびっくり。
神使とか勝手に決めていいのかは凄く重要なんだけど決めちゃったし。
まぁ仕方ないってことで。
『ゆっくりでいい。でも…とりあえずおいで?住む場所ないんだから』
ゆっくり犬が顔上げた。
少し申し訳なさそうな顔。
「…邪魔するぜよ」
そう言うからさ、満面の笑みで言ってやった。
「いらっしゃい!」
あー、しんどい。
むしろ頭使いすぎてしんどいの忘れてた。
そして倒れた
◎110922
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