守り神 | ナノ

守り神

47.限度を超えた

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『本当はね、今すぐ貴方を殺してもいい。でもそれは私の役目じゃない』




少しだけ、リクオを見た。
一瞬、俺!?みたいな顔した。


しっかりしてよ、若頭。




『ただね、少し気になることがあるの』


「なんだい?」


『神様にタメ語なんて良いご身分ね。
その犬───殺すつもりでしょ?』


「「「!?」」」




犬を始め、奴良組面々の息を呑む音が聞こえた。
狸だけは飄々としてるけど。



全く…気に食わないなぁもう。



性的に受け付けないとはこういうことみたい。




「流石と言っておこうか。でも君には関係ない。犬神は僕の部下だよ」


『関係あるんだな、それが』


「は?」




だってあたし、約束したし。
覚えてるよね、犬はもちろん。




『守るって決めたから、犬のこと』


「馬鹿馬鹿しい」


『…神様を馬鹿にしたら天罰が当たるよ?桜様とかきっと凄い罰くれるだろうな』




くすっと笑う。
まぁそうやって笑ってられるのも今のうちか。



もうすぐ清継君登場なんだよね。
一か八か…。
妖怪全員とあたし含めて校庭に移動なんてことできるかな。




「ふん…まぁいい。犬神は好きにしてくれていい」


『え?』


「そいつは捨て犬だ」


『「!?」』




しばらく動けなかった。



狸…。
こいつとんでもない大馬鹿者だ。
いつか1人になる。




「それじゃあまた会おう、奴良君、守り神様?」




すっと消えていった狸。
文句の1つや2つ言いたかったなぁ。
様?ってなんだ様?って。




『あ』




凄く嫌な予感がする。
色んなことに集中しすぎて清継君が何言ってんのかわかんない。
でも…。



スクリーンが破ける音がした。



あたしたちステージの上に全員集合だし…。
もう…しょうがない。




『移動!!!!』




いつもだったらこんなことないのに。
どうしたんだろ。



私と、奴良組と犬の下に真っ白な光の穴が現れて…
吸い込まれていった。









限度を超えた

(凄い達成感)

(でもただの力の使いすぎ)




◎110919




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