守り神
▼45.ついでに、
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うん、セーラーに変わっても浮くものは浮く。
髪長いし体型高校生ぐらいだしどんまい!
あ、神気か。
『神気よ…人間の目から伏せよ』
小さく言ってみた。
効果あったからよし。
てゆうかあたし本当に謎多い。
とりあえず清継君に注目。
いや…今はリクオ君。
もといマフラー君かな。
結構似てる。
雰囲気とか妖気はやっぱり違うけど。
そういうの判らなかったら絶対マフラー君って気付けない。
『…どうしたの、怖い顔して。落ち着きなよ』
「おま…誰ぜよ」
竜馬だよ竜馬やっぱ四国。
少しは落ち着いてくれたかな。
でも…
これじゃ面白くない。
『リクオ君嫌いなの?皆に親切で凄く人気あるのに』
神様は、事の成り行きを見て面白がるって誰かが言ってた。
それは私でも例外じゃないらしい。
ほら、人間って極力面倒を避ける。
でも私は、面倒でも大変でもこの舞台を楽しみたい。
皆を守り切る自信はないけど、そこは守らなくちゃいけない。
楽しむって決めたのは私だから。
本当は今此処で犬を殺るのが一番安全だけど…。
やっぱ面白くない。
『黙り込んじゃって…相当嫌いなんだ、君はリクオ君が』
言って気が付いた。
あの狸、相手のこと君って言ってる。
同じ言い方した自分気持ち悪っ…。
「…俺は忠犬ぜよ。アイツの為だったらなんだってやれる」
『…そのアイツっていうのがリクオ君のこと嫌いだったら貴方も嫌いなんだ』
「当たり前ぜよ」
見上げた忠誠心だこと。
それにしても…犬から嫌な感じがする。
私が彼に感じるのは“死”…?
“死”の感じなんてわかんないしなぁ。
経験したことないし。
でも…死ぬ気がする、犬が。
『守るよ』
「は?」
『リクオ君も貴方も全員守る』
「お前…!!何言ってる今日死ぬのはリクオだけぜよ!!!」
『それはどうかな』
「!?」
それはどうかなって言ったとき自分が楽しそうに笑ったのが判った。
ついでに、彼に対して守るよって言った自分にも笑えた。
彼からしたら私はただの人間なのに。
守られる筋合いもないからね、彼には。
でも私は皆を守る筋合いがあるんだな。
『私、風紀委員長だから。校内で怪我人なんか出させないよ』
「……」
ついでに、守り神だから
◎110825
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