守り神 | ナノ

守り神

43.見えなくても感じるもの

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昨日は疲れた。



あんな展開普通ある?



正体ばれるわ、拉致されるわ、四国妖怪いちいちウザイ。
主に狸。



狸だけでも倒してたら少しくらい気も楽になったかも。




「ねぇ葵ー。今日委員会何するー?」


『…副委員長抜きでトランプする』


「はぁ!?」




冗談だって、って軽く受け流す。




『それよりもさ、今日は集会。決めるんでしょ?次期生徒会長』


「あー、そーだった、面倒」




私たち風紀にとって行事はひたすら面倒。



生徒が喋ってたり、ふざけてたりしたら全部私たちが注意。
先生が面倒なだけでしょ。



で、ついでにもっと面倒なことに四国妖怪がいる。
校内に。




『私、別行動とる。部外者混じってる』


「校内に?」


『うん』




ニコっと笑って走って行ったから、了解ってとっていいと思う。



ちょっと奴良組と接触してみよ。
ちょうど昼休みだし…屋上に居るはず。




『失礼しまーす、奴良組の面々にちょいとお話が。いや、あの殺気とかいらないから』




なんか凄い敵扱いされてる。



昨日初めて会ったに近いのに酷い扱いだよね。


あっ河童、お皿乾いてるよ。




『あ、そういえば君。今から大事な話するから出てってくれない?』


「「「!?」」」


「!?…あ…あぁ」




あれが正真正銘四国妖怪。



奴良組の連中は存在すら気付いてなかったみたいだけど。
妖怪のくせして鈍いでしょ。




『で、話っていうのは、簡潔にさっきの男の子四国妖怪だよってやつ』


「「「はぁぁぁ!?」」」


「…何言ってるんですか葵せん…伊勢葵!!」


『だから、さっきの妖怪だって。それに、あたし全生徒の顔と名前記憶してるし』




あー面倒。
なに言ってるんですかじゃないよ、氷麗ちゃん。
すっかり信用なくした。



本当だったら氷麗ちゃんも部外者だから、風紀として追い出したいんだから。




『とりあえずリクオ君のこと、しっかり守るんだよ。…側近として』




私は生徒守からーって言いながら校内に入った。



さっきのはとりあえず放置でいいかなぁ。
てゆうか、さっきの犬、この前の夜会ったし。




「あ、居た!葵、見つかった?」




副委員長の明るい声が聞こえた。



見つけた?
あぁ、部外者のこと。




『泳がせる。選挙で公に出てくれるはずだから』


「んなっ!なんて適当な…」




大丈夫、危害は加えさせない。



だってさ、私、守り神だから。




「なにニヤニヤしてんの?」


『……いや…トランプ捨てようかなって、会議の邪魔だし』




っていうのは冗談。



どうやったら…妖怪も人間も守れるか考えてたんだよ。









それは信用

(奴良組からの信用はなくても)

(副委員長が信用してくれてるのは知ってるよ?)




◎2話合体




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