守り神
▼40.眩しい右手と
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「君は…奴良組の妖怪かい?」
リクオに向かってあのウザい奴が言う。
どうやらリクオだって気付いていないみたい。
あたし、喋りかけられても無視するから。
嫌いだし、喋り方が。
「妖気は感じないけど…。君も奴良組系の何かかい?」
何か…?
物扱い?
妖怪風情が。
リクオも無視を決めているらしく、なんにも喋んない。
それはそれでいい。
だけど…。
囲まれた。
『旦那ぁ…やるしかない?』
「残念ながら…な」
面倒極まりない。
無駄な殺生は嫌いなんだけどなぁ、あたし。
「準備はいいか?」
『いつでもどうぞ』
ウザいのが妖怪の姿になる。
暑苦しいし。
狸か、こいつ。
「それじゃあ…始めようか」
狸黙って。
耳潰れちゃう。
『リクオ、あたしに近付かないで』
リクオの耳元で小さく言った。
最初はぁ!?って顔したけど理解はいただけたっぽい。
神様、私を守ってくださる神様。
『私をお守りください。そして…力を貸してください』
眩しい光が包む。
あ、いつもの治癒の光じゃないよ。
私を守るための、攻撃的な光。
ちょっと威力控えめで。
ついでにちょっといじる。
『白き神気よ…私の右手に集え』
ちょっと格好良く言ってみたかったんだ←
なんかぽくない?
集まれって思うだけでいいんだけど。
とりあえず、右手が眩しい。
なんか変な表現。
だけどとにもかくにも右手が眩しい。
『誰でもかかってきていいよ。ただの妖怪なんかに…負けない…!!』
初めての実戦
◎石田さん好きだけど狸が嫌いな管理人←
110710
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