守り神
▼38.可愛くて美人なお嬢さん
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『いやいいって』
「女だろ?」
『問題ないから』
私は帰ろうとしてるんだけど、リクオが許してくれない。
女が夜道を歩くのは危険だってさ。
瞬間移動って大丈夫だと思うんだけど…。
『瞬間移動ってアリ?』
「は…?」
『瞬間移動だって』
沈黙。
瞬間移動の意味…流石に知ってるよね?
「葵…んなことできんのか?」
『イエス、アイキャン。1日1回ぐらいだけど。体力の消耗凄いから』
リクオは何にも喋らない。
『…帰っていい?』
リクオの肩が急に上がった。
かなり深い考え事してたのかな。
「プライドとか…あんだろ?男としてのさ…。送らせてくれやしねぇかい?」
あぁ、なるほど。
私が守り神としてのプライドがあるように、リクオには男としてのプライドがあるんだ。
『いいよ、リクオ。可愛くて美人なお嬢さんを家まで送ってよ』
あ、引かれた。
顔引きつってるし。
「…可愛くて美人なお嬢さんなんだから男には気を付けろよ」
…ん?
思ってた返事と違うような?
でも…。
『リクオ男前だねー、ありがと』
「おう…!」
可愛くて美人なお嬢さん
◎110708
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