守り神 | ナノ

守り神

36.お互いの正体

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思ってた以上に広い。
なんだこの広さ。




『…若頭いない?』


「え?」


『会ったことあるから』




リクオくんが考える仕草をする。



あれ、何か地雷踏んだ?




「若頭は…僕です」


『え!?全然違うじゃん』




髪白くて身長大きくて目の色黄色で…。
リクオくんは茶色いし身長低いし…。




「夜の僕に会ったことあるんですね、先輩は」


『…多分』




って言うしか手段ないよ。




「先輩、今日忙しいですか?」


『一応大丈夫』


「それじゃあ夜になるまでいてください。夜の僕とのが話しやすいんですよね」


『うん』




あー、やっぱいい子。
あたしみたいな謎の生命体にここまで気を遣ってくれるなんて…。




『ありがと、色々よくしてくれて。大好きだよ、リクオくん』


「えっあ、ありがとうございます…///」




あれ、顔赤いような?
温暖化だもんね、熱にやられたか。




「もうすぐ…時間です」




あたしが瞬きをしている間に、リクオくんは私の知ってる若頭になってた。




「この姿では初めて…だと思うんだが…。葵、会いたかった…」


『へ?ふわぁ!』




ちょっと待とう。
なんであたし抱き締められてるの…?



え、リクオくん?
とりあえず言わなきゃならないこと。




『…あたしは、貴方に会うのが初めてではない』




どういうことだとでも言いたさげな…。
あたしも神化するべきかなぁ。



目を閉じる。



やっぱり、神化してると落ち着く。
実は妖怪ってやつが怖かった。



でもこの姿なら大丈夫。




『…これが夜のあたし』


「守り…神……?」




ふふ、と小さく笑う。




『びっくりした?』


「そりゃあ…な」




しばらく沈黙が続く。



あたしが妖気わかる理由、すぐわかっちゃったもんね。
帰っていいかな、寧ろ。




「…奴良組に来ねぇか?」


『…はい?』




今こいつなんて言った?




『…あたし妖怪じゃないんだけど、リクオくん』


「神様がいても可笑しかねぇだろ?」




可笑しいと思うな、あたしは。
だって違う。
存在が。




『…一応保護者に聞いてみる』




満面の笑み。
そんなにあたしを百鬼に入れたいわけ?



とりあえず。




『桜の木、ある?』


「こっちだ」




桜さまと連絡とれるかは謎。
だけど一応可能性あるし。




「これだ」


『わっ…』




綺麗…。
妖怪屋敷にあるからかな、妖艶というか…。



とにかく綺麗。




『桜さま、いらっしゃいますか?お話がしたいのです』




神気を感じた。
来る。




「なんだ、守り。何故こんなところにいる?」


『色々ヘマやらかして拉致されたんです。それより奴良組へご招待されたんですけどどうすれば…』




桜さまは溜め息1個。




「お前は曲がりなりにも神だ。そんなことしたら他の神々が黙ってないぞ」


『…ってことで無理、リクオくん』




リクオくんも溜め息。




「まぁ機会があったら一緒に行動するくらい許す。一応葵も…っ」




いきなり桜さまが喋るのやめた。



どうしたんだろ…。




『?』


「それじゃあなっ…」




…あれ、隠し事されてる。









お互いの正体




◎3話合体。なんかバレんの早い←




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