守り神
▼35.四国妖怪
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若頭が普通に去ってくれたので、あの日、私はちゃんと委員会に行けた。
風紀は毎日活動ちゅー。
部活も週1行ってるし。
やっさしー私←
そんなわけで、今日は部活参加してまんま下校。
メンバーはリクオくん、カナちゃん、つららちゃん、倉田くん。
それから…
『貴方達誰ですか?』
妖気、隠しきれてませんよ、残念ながら。
…てゆうか何か言ってください。
じーっと見てるんだけどさ、なにこの沈黙!!
「リクオくんの家にいた…お手伝いさん?」
『お手伝い?』
遠慮とかないよね、カナちゃん。
良く言えば素直。
悪く言えば口軽い。
秘密とか喋ってないし問題ないけど。
「そ…そうなんです!リクオ様が心配で…」
『心配…ね』
護衛だよね、恐らく。
ただの妖怪じゃなくて妖怪様ってとこ?
『優しい方たちなんですね。リクオくんも幸せだねー。こんなに思ってくれる家族がいて』
私家族いないしね。
あー、思い出したら腹立つわ。
やっぱしょうがないけど。
あっちはあっちで親の仕事放棄して…。
私は人間放棄だし。
『…てゆうか東京のとは違う妖気…?』
「「「え?」」」
あれ、あたし声に出しちゃった?
妖怪たくさんいるところで困るなー、全く。
妖気には変わりないけど…あたしの知らない妖気だね。
めんど…。
「葵先輩、それ…」
『いつだか霊感あるって言わなかった?』
「あっ…」
リクオくん焦ってるね。
何か面目ない。
てゆうか申し訳ない。
一番私の状況が危ない気がするけど…。
「霊感って…ただの人間が…」
マフラーのお兄さんがなにやら唸ってる。
イケメンと呼ばれる部類の顔だね。
『あ、あれだよ、妖怪』
何か言われる前にあたしワールドを作ります。
男2人か。
ま、いつでも神化出来るように心構えはしとこう。
なるべくしない方向で。
「君が奴良リクオくんかい?」
…偵察済みってことか。
なんか喋り方ムカつく。
「聞く必要はないか。僕と君は『黙れ』…」
「葵先輩?」
リクオくんが不安そうに私を見る。
ほんと…面目ない。
『その喋り方なんなの?妖怪風情がわざわざ優等生ぶっちゃって。
さっさと本題話しなさいよ。無駄話しかしてないじゃない』
「そ…そうだねぇ…。簡潔に…奴良組の恐れを我ら四国八十八鬼夜行が奪うよ。それじゃ」
彼が色々言ってる間に、カナちゃんに手出ししようとしてた妖怪にチョップをお見舞いしてあげた。
カナちゃんって…。
妖怪に襲われるの何回目…?
「ちょっと待っ…!!」
リクオくんの掛け声も虚しく、彼らは数増やして去ってった。
はーぁ、あたしの番か。
「あの…葵先輩。色々聞きたいことがあります。来ていただけますか?」
ほら、やっぱり私の番。
拒否権は多分ない。
『…わかった。言っとくけどあたし陰陽師とかではないから』
妖怪どもが顔を見合わせる。
余計に混乱してるっぽいなぁ。
桜様に怒られるかな。
気にしないってことしかできないけど。
「えっと…リクオくん、私先帰るね。葵先輩、さようなら」
『あ、カナちゃん、バイバイ!』
うーん…。
カナちゃんと別れるのはちょっと惜しいかも。
「先輩こっちです」
『あ、うん』
無言のままどんどん進んでく。
ついでに、氷麗ちゃん、倉田くんを始め妖怪さんに囲まれて。
リクオくんがいきなり立ち止まった。
いつの間にか着いてたっぽい。
『あ、やっぱり此処か』
「え?」
『妖気がたくさんある家だなって思ってたし』
「……」
あ、若頭いるかな。
牛鬼もいたらいいなぁ。
話しやすいし。
「中入ってください」
『んー』
いざ侵入っ!
私は彼らが苦手かもしれない
(四国妖怪が居なかったら私今頃家なのに)
◎4話合体
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