守り神
▼33.あっちとこっち
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皆にはカナちゃんの声が聞こえなかった。
残念だけど私は妖怪に詳しいわけじゃない。
だからただの予想だけど、妖怪と一緒にいて、今こっちに居ないってこと…?
あっちっていうのは何処かわかんない。
あっちなんて沢山ありすぎる。
普通に、人間が生きている場所に居ないってことだよね。
『…カナちゃん?』
男子トイレ前。
妖気を感じる。
此処で神化するべき?
今のままでも大丈夫かもしれないけど…。
伊勢葵って人間が男子トイレに侵入したなんて絶対思われたくない。
目を閉じた。
梅若丸様の力あってか、前よりも神気は強くなってる。
やっぱり神様には感謝しきれないよ。
『ふぅ…』
この姿でも、男子トイレには抵抗がある。
でも入るしかないよね…。
入ってすぐに大きな鏡があった。
これ…おかしい…よ。
嫌な感じしかしない。
神様、私を…お守りください。
神気が更にちょっとだけ強くなった気がする。
鏡に触れる。
正確には触れたつもり。
普通に手が鏡を突っ込んでった。
鏡の向こうに…きっとカナちゃんがいる。
あっちとこっち
◎2話合体
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