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守り神

28.意地悪でも優しい

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梅若丸様と別れて数分。
牛鬼がいると思われる屋敷に着いた。



瞬間移動なんてしなくても移動速度は速いわけで。



とにかく妖気が凄い。



これが梅若丸様の今っていうのはちょっと意外。




『さて…と』



とりあえず入りますか。




「おい、葵」


『桜様どうかいたしましたか?…え?』




条件反射で普通に返事しちゃった。



私の真後ろに立っていたのは他の誰でもない。
桜様だった。



絶対怒られる…。
なんで此処にいんの!?




「此処は妖気が溢れているが…どうするつもりだ?」


『そのー…』




判ってる。
妖怪と関わるなって話をしたいんでしょ。




「行きたきゃ行っていいぞ」


『やっぱりそうですよね…え?』




こんなのばっかだよ、なんか。



行っていいの?




「ただ土地神がいないから神気が少ない。だから特別にこれを貸してやる」




桜様が私に渡したのはネックレス。
質素な紐が祠に埋めてある桜色の石に通っていた。




「とにかく付けろ」




桜様って名前に相応しくない乱暴な口調。



最初は苦手だったけど…桜って木の強さなんだって今は思う。
成長したよ、多分。




『あ…』




いつもと同じ神気の量を感じる。
黄色のオーラの量もいつも通りみたい。




「好きなようにしてきたらいい」




桜様は何故か意地悪に笑った。









意地悪でも優しい




◎2話合体!




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