守り神
▼27.笑顔を
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『願…い?』
「そうです。…牛鬼は迷っております。詳しいことはわかりません。
しかし…今日何かがあるはずなのです」
今日…妖怪…。
リクオくん達に関係があるのかな。
でも…。
『私は…妖怪と関われないんです』
梅若丸様は下を向く。
「本当なら私が行きたいです…。でも私は無理なんです…!この祠に縛り付けられているから…!!
だから貴方にしか…」
そっか。
そういう思いでずっと迷って…泣いてたんだ。
『…私行きます。ただ力不足だったらすみませんね。
…あっちの方角ですよね。それじゃあ私は行ってきます』
「お待ちください」
私は首を傾げた。
注文の多い神様だよ。
「どうすれば貴方様を守れますか?私も力になりたいのです」
『…私を守りたい。その思いだけで十分ですよ』
きっと大丈夫。
だって、ほら。
さっき無かった黄色の光がちょっとだけ出てきてる。
『いつもお世話になってる土地神様と離れてるので今はちょっと神気が少ないんですよね。
でもさっきより強まってます。きっと梅若丸様のお陰です』
梅若丸様は救われたような、安堵の笑みを浮かべた。
浮かべてくれた。
私は、神様に泣いてほしくないから。
これから妖怪と関わるわけで桜様が怖いけど。
浮かべてくれた
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