守り神
▼12.消えない
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『桜様、起きていらっしゃいますか』
「葵か、どうした?」
声がしたのと同時に、祠に埋められた石が光って人になった。
現人神ってやつ?
違うか。
淡い桜色の髪が目を惹く。
『…どうして桜様は私を守ろうと思ったのですか?』
疑問に思ったこと、ちゃんと答えを見付ける。
どうでもいいことじゃないから。
「さぁな。まぁ自分で見つけろ」
…誰かに頼るのは自分で見付けるうちに入らないってこと?
『でも…どうやって…』
「そのうち判るだろう」
まるで他人事。
『あの…桜様』
「葵は今まで通り過ごすだけでいい。少しずつ運命の歯車とやらは回っている」
最後にくすっと桜様は笑った。
消えない疑問
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