2012!
▼夜には御注意を!
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「さあ始まったよ夏休み!!」
「え?」
「さ、さぁ…!!夏休みが始まったよ…っ!!!」
なに言ってんのこの子的な冷たい視線を氷麗ちゃんから向けられつつも、頑張ってリクオ君に訴えてる私はただの愚か者。
夏休みはもう終わりだということを理解しつつも認めたくない。いわば現実逃避ってやつでございますですよ。
まあ新学期友達と会うのはね、もちろん楽しみなんだよ。
なにが問題かというと、もなさんご察しのアレです、アレ…
「しゅ…宿題が終わらないよリクオ君……!!」
「ちょっと!!相川さんはなんでこういつも若に頼りっぱなしなんですか!?」
「な、なんでと言われましても…」
「リクオ様は京都での戦いがあったにも関わらずしっかり終わらせていますよ!!」
「ですよね…」
うん。全面的に私が悪い。しょうがない認めるよ事実だし。
でもねリクオ君みたいに頭いいわけじゃないし、むしろ学校でも有名馬鹿ですごめんなさい。
まあなにかっていうと、毎日毎日勉強しても宿題が終わらなかった。泣きたい。
毎日勉強してなくても、無事宿題を終わらせた人はいる。……いや、半妖?いいやどうでも。
毎日勉強しても、終わらなかった馬鹿がいる…具代的にこの私とか。
これが才能とかの差ですか泣きますよ本当に
「まぁまぁ氷麗…世名ちゃん、教えるよ」
「本当ですかリクオ君!!!」
「ちょっとリクオ様!?」
ああなにこれまじ天国だ。リクオ君味方につけたら宿題とかあっという間じゃん。
氷麗ちゃんに恨まれるのはあまり宜しくないけど、いいよ宿題のが優先。
そんな風にグダグダ感動してて、リクオ君が笑っていることにすぐ気づかなかった。
リクオ君のじゃない。あの妖しい笑顔。
気づいた頃には
「…もう遅いってか」
「お前が逃げようとしてることなんざすぐわかんだよ」
「………」
もうわかってるよ。
「宿題手伝う代わりによぉ」
うんうん。わかってる。
どーせね、うん。やっぱり泣いていい?
「今日泊まれよ?」
「氷麗ちゃんの横にあいたっ!」
圧倒的な(暴力という名の)力に、私は勝てないと思いました。
夜には御注意を!
( リクオ君は好きだけどリクオは嫌い )
( もう一回叩かれてえのか? )
( ごめんなさいもう言いませんだからその引きつったなんとも言えない顔やめて! )
◎20120829
ふざけました、てへ!寝ぼけてます、てへ…!