ひびの入った | ナノ

ひびの入った

3.笑顔っていい

3/37





いきなり拳飛んできた。
立派な空気の音と共に。



一応避けたけど…。




『ちょっ、タンマ!阿伏兎竹刀ちょうだい!!』




空手も出来るけど剣道のが得意な人種でして。



無事キャッチし、身構える。




『神威くん、いきなりすぎない?』


「先手必勝でしょ?」




あー、いい笑顔。
無駄に苛つくわ。



そもそも喧嘩するつもりなかったんだけどなぁ。




『まぁ…喧嘩開始で。私、本気出さないから』


「それじゃつまらない。俺が渚の本気、出させるよ」


『…できるもんならやってみな』




阿伏兎が溜め息をつく。



うん、知ってるよ。
こういうので私が本気出さないこと、滅多にないよね。
てか絶対本気になる。



わかってるからその顔やめよっか、阿伏兎。



神威からは拳やら蹴りやらいろんな物が飛んでくる。
ひたすら守る。



隙をついて攻撃しないと攻められて終わりだからなぁ。
なんとか攻めないと。



神威の息が切れはじめた。
連続的に攻撃してきたもんね、うん。




『今度は私から行くよ』




ぱしーん




言ったそばから神威の顔めがけて竹刀をおろした。
見事にあたったね。



気持ちいい音した。




「…ありゃ、負けちゃった」


『え、この程度で神威の負けでいいの?』


「だってこっちは攻撃成功してないし」


『…そう……』


「また喧嘩しようよ、和」




神威が笑う。
私実は面食いかな。



神威の笑顔に…惹かれた。





笑顔っていい


(どうかした?)
(な、なんでもない!!)




◎110705




  back
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -