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ひびの入った

34.予兆は過ぎた

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かなり迷惑。か な り 迷 惑。
大事なことなので、2回言いました。


あたしは、やっと楽なスクールライフを送ろうとしてましたよね、うん。
秘密なんてなくなったし、もう学校では自由。
そして学生らしく青春だって謳歌してます。

それなのに…。それなのに!!!




『第一回体育大会決行…特別ゲストはなんと我が校の理事長……?』




そう書かれた貼り紙に、一瞬殺意を抱いた。
訂正。今でも破るか燃やすかしたいぐらいの怒りを貼り紙に向けてる。

なんたって今更体育大会なんか…。
これ決めた教師の思考回路が激しくわかんない。

そもそも行事に参加するほど真面目な生徒じゃない、あたし達は。
だから今まで行事はなかったはずなのに。




「理事長って誰だよ」

『あたし見たことない』

「名前は渚だよ。名字は知らないけど」

『あー、そんなこと言ってた。阿伏兎は知らない?』

「もう1回言う。理事長って誰だよ」

『あ…そうだった』




阿伏兎のくせに使えない。


…あたし学校休もうかなぁ。行事とか一番だるい。

この学校の魅力は、自由な校風。
先生が決めたなんて固いものはなくて、生徒が「パン食い競争しよー」とか言ったらその日はもう行事。

でもこの貼り紙は違う。そうじゃない。
あたし達にゲスト呼ぶ力なんてないし、そもそも貼り紙作る余裕なんてない。
そしたら先生が作ったって考えるのが打倒。


まぁそもそも連中があたしに内緒で行事なんて作るわけないか。




『阿伏兎』

「あ?」

『この貼り紙貼った馬鹿とそれを指示した阿呆を探して』




嫌だってことを顔は訴えているけど私は知りません。
なんだかんだ文句言いながらもやってくれるのがあたしの大事な幼なじみ。

他に仕事は頼んでなかったし、すぐ判るはず。




「和、阿伏兎そんなこと調べられるの?」

『あたしと一緒だよ。家族がエリートなの。検察だか探偵だか弁護士だか…そんなの。』

「…和の家族は?」

『………そういえば知らない。阿伏兎なら知ってるでしょ』




ま、知ろうとはしませんけどね。興味ないし。
縁は切ったし未練もない。

もう、関係ないんだよあたしとあの人たちは。




『阿伏兎が調べ終わるまで…このポスター全部取ろっか。燃やしたいけど指紋とかあるかもしれないし』

「それなら職員室行って先生しめた方が」

『暴力反対。平和主義』




これから…また面倒なことになりそう。




予兆は過ぎた

( 感の良い子は気付いてるのかしら )
( 渚…いや、理事長は急にものをおっしゃる。何に気付いてると? )
( これからのことよ )
( 楽しみじゃないか。少なくとも渚とわしだけだが )




◎阿伏兎はやっぱり誰の下でも秘書的存在(^p^)そしてラストは理事長とあの人の会話!口調わかんない…
20120412




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