ひびの入った
▼33.迫る黒
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それは夜兎工業に通う双子の会話だ。
これはまた、ただの会話に過ぎない。
この内容を知るのは、遅すぎた。
「渚嬢って…この記事かな」
「は?随分古い新聞…。」
小学二年生の女の子が両親二人と兄を気絶にまで追い込んだ。
凶器は木刀だけと考えられる。
少女は「虐待に耐えられなくなった」と述べているが、両親はそれを否定している。
また、「あの子は知らないだろうけど、私たちは本当の両親じゃない。生かしてやっただけ感謝してほしい」と供述している。
本当の両親に関しては、口止めされているとのことだ。
まだ小学二年生の女の子。
彼女の未来に不安が残る。
「…条件にはぴったしだな」
「でも…本当の両親じゃないって……」
「渚嬢は多分知らねーだろうな」
「うん…これ…言ったほうがいいのかな」
「阿伏兎さんには」
「でも多分知って……あの人多分新聞読まないか」
「読んでたら読んでたでそれも驚きだけどな」
「だなぁ…。なんかさ、不安なんだ」
「何がだよ」
「あーいい。言ってもわかんない」
「双子だぜ?」
「……本当の両親ってやつが引っ掛かる」
「死んでんじゃね?」
「どうだろうなぁ…。だといいけど」
迫る黒
◎またシリアス(^p^)大変よのう←
20120324
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